出会いは職場の駐車場整理!立ち話から共通の趣味で意気投合して【オトナ婚/第19話(前編)】
彼氏いない歴21年…それでも「ま、いっか」と思えたわけ
――42歳で旦那様と出会い43歳で結婚されたらいむさん。それまでの恋愛遍歴を教えてください。
「それが(笑)。20代に最後の彼氏と別れて以降、ずっとフリーでした。いいな、と思った人もいなかったですね。
とはいえ全然寂しいとも思ってなかったんですよ。いい人いたらいいな、ぐらいには思っていましたが、特にそれ以上の強い思いはなく」
――どうして平気でいられたんでしょう?
「振り返るに、私が結婚を焦らなかった理由は3つあります。
ひとつめは、会社の女性の同僚たちのほとんどが独身だったこと。同世代で仲のいいメンバーが5、6人いたんですが、結婚しているのはわずかひとり。それ以外の同僚はみんな独身で、私のように彼氏すらいない子もいました。じゃあ不憫なのかというと全然そんなことなくて。おのおの趣味は充実しているし、仕事もバリバリ。そんな環境だったんですよね。
ふたつめは、私が実家暮らしだったことがあると思います。父親と二人暮らしだったのですが、実家があって家に帰ると誰かがいる、というのはやっぱり安心感がありますよね。父親も私生活に干渉もしないし結婚をせかすこともなかったので、居心地良く過ごしていました。
みっつめは、私が多趣味だったということ。音楽が好きでライブにもたくさん行っていたし、漫画やアニメも好きでした。休みの日も漫画を読んでいれば充実した時間が過ごせたし、時々イベントにも行ったりして、寂しさを感じたことはなかったですね」
――「独身あるある」のエピソードばかりで耳が痛いです(笑)。マッチングアプリを使ったり、合コンに積極的に参加したりといった、いわゆる婚活は一切せず?
「していませんでした。友人の中には、パートナーが欲しいとか、いずれは結婚したいという願望がある人もいて、マッチングアプリをしている人もいましたが、私はそれもしませんでしたね。
私自身も時々は、パートナーがいたらいいなと思うことはありました。絶対一人で生きていく、と決めていたわけでもなかったので。
どうやって始めたらいいかわからない、ということもありました」
お客様としてやって来たロードバイクの男性が今の旦那様
――そうやって40歳を迎えたらいむさんですが、今の旦那さまと出会ったきっかけはロードバイクだと伺いました。
「はい。私は当時、フランチャイズの飲食店のマネージャーをしていて、3店舗を統括していました。マネージャーの仕事は、基本的には社員や店舗の運営をするものなのですが、ある時そのひとつのお店がテレビで紹介されて急激にお客様が増えてしまったんですよ。
特に休日は混雑が激しく、国道沿いにある店舗の駐車場待ちのために道路に列ができるようになってしまいました。そこで、私が毎週末お店に出向いて駐車場で車の誘導をすることになったんです。近隣の方にも迷惑がかかりますからね。
一方でそのレストランは、大きな川沿いのサイクリングロードのすぐそばにあって、元々ロードバイクをする人たちがよく集まるお店でした。
そしてこれもまたたまたまなんですが、私自身が趣味としてロードバイクを始めたばかりで。
そういったこともあり、ライドの休憩で立ち寄るお客様に駐車場で話しかけて自転車のことを教えてもらったり、お店のSNSにお客様のロードバイクの写真をアップさせてもらったりしていました。そのうちに、SNSを見たロードバイク好きの人たちの中でさらにお店のことが広まって、たくさんの人が来てくださるようになりました」
――らいむさんとしては、趣味半分集客目的半分でロードバイクのことをつぶやいていたんですね。そのお客様たちの中に今の旦那様がいらっしゃったと。
「そうです。ある日、私がSNSで『来週末ロードバイクでいらっしゃった方は、写真を撮らせてもらってアップしたいと思います』と告知したんです。その投稿を見た当時近所に住んでいた彼がお店に来たのが最初の出会いです。ロードバイクって値段が高いし、みんな自分の愛車を人に見てもらいたいんですよ(笑)
彼も愛車の写真を撮ってもらいたくて来たんですよね。そこで初めて出会って、写真を撮らせてもらって、少しおしゃべりした、という始まりでした」
――初対面の印象はいかがでしたか?
「彼は大柄でヒゲがあって見た目はちょっと怖い感じ。話しかけやすい雰囲気ではなかったですね。
初対面で話した内容が、私のロードバイク相談で(笑)。私が自分のロードバイクのサドルが硬くてお尻が痛い、ということを悩んでいて。彼以外にもいろいろなお客様に相談をしていたんです。
そこで彼にも同じことを言ったら『家に余っているサドルがあるから貸してあげる』と言われて、後日貸してもらう約束をしました」
――サドルを貸してもらうところからやり取りが始まったんですね。
「そうですね。会社のSNSでDMを送り合うのはあまり良くないと思い、途中から個人のSNSを教えて、それでやり取りをするようになりました。
彼が次の週末にサドルを持ってきてくれて、私がそれを自分で取り付けて一人で走って。またそのことを私が個人のSNSにアップしたんです。
私が『新しいサドル快適でした』と投稿して、さらにそのときに自転車のパーツでなくしてしまったものがあったので、『どこに売ってるのかな』って書き込んだんです。そしたら彼が『そのパーツならたくさん持っているのであげますよ』とリプをくれて、再び翌週にお店で会うことになりました」
――ライムさんのSNSでのつぶやきやお悩みに答える形で距離が縮まったという感じですね。
「パーツを持ってきてくれた翌週には『手袋もあった方がいい』と手袋を持ってきてくれて、さらにその翌週は私がドリンクホルダーを買いたいという話をしていたので、また来てくれてオンラインで一緒に買ったりもしました」
――なんだかんだ、毎週来てるじゃないですか! 旦那様からの好意は感じていましたか?
「んー、半分半分でしたね。あれ気付けば毎週会ってない!?とはたしかに思いましたが、場所はお店の駐車場だし、会っているのは仕事中だし(笑)。
あと趣味にハマっている人って、同じ趣味の人に無条件で優しくしたくなるということあるじゃないですか。知っていることを惜しみなく教えてあげたり、初心者には優しくしたり。そういう意味で、ただの趣味友として優しくしてくれているのかな、とも思いました。
あと、女性でロードバイクをしている人って本当に少ないんですよ。一方でロードバイクが趣味の男性は多いし、みなさん時間やお金に余裕のある場合が多いんですよね(笑)。そもそもお金がかかる趣味なので。だから実は旦那さん以外にも、私にいろいろと教えたがってくれる男性はいました(笑)」
――ちょっとよこしまな発想ですが、出会いを求めている女性陣にロードバイクはおすすめですね!
「いやまさに! 男性の割合が圧倒的に多い分野なので。出会いのチャンスは確実に増える趣味だと思います。女性っていうだけでめちゃめちゃチヤホヤされますよ(笑)」
男性に愛好家の多いロードバイクが縁で出会いをつかんだらいむさんでしたが、順調に交際へと発展できない理由がありました。実はらいむさんには隠し通せない過去の大病の経験があって…。
つづき▶【後編】では、らいむさんが過去に患った病気についてと、それを聞いたときの彼の反応、その後のふたりが出した結論についてお伺いします__ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶
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