結婚したいのに男性になぜか断られる親友。それなのに彼女がどうしても譲れない条件とは? そして、50代になってまさかの連絡が!
聡明で努力家の親友は憧れの存在だった
東京都に住む多恵さん(仮名・52歳/主婦)は、銀行員の夫(54歳)、息子(18歳)の3人家族。夫は仕事熱心な方で、年収も年々上がっており、多恵さん自体は特に不満もなく過ごしてきたそうです。多恵さんにとって、唯一気がかりなのは高校時代からの親友・裕子の存在でした。
裕子は高校の同級生で、部活でテニスに熱心に打ち込む姿が眩しく、成績も優秀。日焼けした肌に、引き締まった体が魅力的で、いつもニコニコとした笑顔が魅力的な女性でした。そんな彼女は、多恵さんにとってまさに憧れの存在だったそうです。
裕子は面倒見がいい性格で、多恵さんが恋愛に困った時も親身になって話を聞いてくれました。また多恵さん自身も、裕子が困っている時はなるべく手を差し伸べるようにしてきたそうです。
やがて多恵さんは、親友の裕子と都内にある同じ大学へと進学。高校、大学と同じ学校だったこともあり、より一層2人の仲は深まっていきました。
社会人になってからも、2人は共に合コンに参加したり、お互いの彼氏と一緒にダブルデートしたりと、仲良くすごしていました。その後、多恵さんは同じ会社で働く同僚男性と結婚し、寿退社。その一方、親友の裕子は結婚せず、独身のまま働き続けたそうです。
もちろん、裕子自身も結婚願望がない訳ではありませんでした。多恵さんも裕子が心配だったので、何人か男性を紹介することもあったそう。しかし、裕子のお眼鏡にかなう人はいなかったようです。
裕子は、決して「年収1000万円以上の人がいい」「イケメンじゃないと」と、相手に厳しい条件を求めるような女性ではありませんでした。
謙虚で控えめな裕子は、むしろ男性にはあまり多くを求めない女性です。ただ、そんな裕子でも結婚相手に「どうしても譲れない条件」があり、それが結婚に対してかなり大きな足かせになっていたのです……。
何度忠告しても聞いてくれない親友に、次第にイライラ
裕子が結婚相手に求める条件は、「実家の近くで、一緒に住んでくれる人」でした。その理由は、裕子が一人っ子で親の面倒を見たいという思いがあったから。そのため、交際する前から男性には「結婚したら、親の面倒を見たいから実家の近くに住みたい」と話してしまうそうです……。
多恵さん自身も一人っ子なので、裕子の気持ちがわからない訳ではありません。ただ、多恵さんからすれば、そんな早い時期から踏み込んだ話をしてしまうと、男性に負担に思われるのではないかと心配でした。そこで、たびに「結婚前から、男性に『こうして欲しい』みたいな話は、あまりしない方がいいよ」と、口を酸っぱくして伝え続けてきたそうです。
けれども「うん。そうだよね……。でも、私の親が頼れるのは『私』しかいなくて。ハハハ……」と笑って誤魔化すばかりの裕子。本人としても先走った言動であるということはわかっているものの、どうしても「親の面倒を自分で見たい」という気持ちが勝ってしまっていたようなのです。
真面目で親思いな性格は彼女のいいところですが、多恵さんは「結婚するなら、身軽であればあるほど相手に選ばれやすい」という確信がありました。
交際前の男性にも隠さずに思いを伝えておこうとするほど真面目な彼女だからこそ、多恵さんはどうしても「彼女に幸せになって欲しい」と強く願っていました。
裕子が心配な多恵さんは、何度も「自分の親の話は、相手の前でしない方がいい」と忠告しました。しかし、裕子はいつも苦笑いをして適当にかわしてしまうのだとか。そんな彼女の態度に、次第に多恵さんは「こっちは、あなたを思って一生懸命アドバイスしたり、心配したりしているのに」とイライラするようになったそうです。
何度親友に異性を紹介しても、縁談がまとまらない日々
その後も多恵さんは、夫の友人、自分の友達の知り合いなど、さまざまなツテを辿っては、裕子に相手を紹介したといいます。しかし、どもご縁も上手く進まなかったようです。
裕子が心配になった多恵さんは、紹介した男性に「どこがダメだった?」と聞いたことは一度や二度ではありませんでした。しかし、いつも男性達は口を揃えて「いい人だし、絶対いい奥さんにはなると思うけど、僕じゃないと思った……」、「一緒に話をしていても、息が詰まるような気持ちになる」など、控えめな距離を置いた発言ばかり。
ある男性によると、裕子は初めて会話をかわするなり「お母さんとは、仲がいいですか?」「兄弟はいますか?」などと質問攻めをするよう。その質問攻めをする時の目つきがあまりにまっすぐで、ずっと目を見て話すのが怖いと感じたのだとか。
おそらく、裕子はどうしても「結婚後に親の面倒を見たいから、自分の家の近くに住んでくれそうな人と結婚したい」という思いが強いのでしょう。
「流石にこのままでは、裕子はますます結婚から遠のいてしまう」
そう思った多恵さんは、思い切って彼女を呼び出して「せっかく男性を紹介したのに、どうして変な質問ばかりするの?相手を困らせる質問をするなら、もう誰も紹介しないから」と、厳しく叱責しました。
すると、裕子は目に涙を浮かべて「多恵には私の気持ちなんてわからないのよ……。多恵は家も裕福だし、一人っ子でも『親を老人ホームに預ければいい』と思っているのかもしれない。でも、私の家は違うの」と言い出したのです。
つづき▶【後編】では、親友の涙で知ることになった「壮絶な過去」とは?__▶ ▶ ▶ ▶ ▶
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