親権争いと「子の連れ去り問題」話し合いもせず一方的に連れ去った側が有利になる仕組みがあるからこんな不幸がずっと続いている
この改正の背景には「子の連れ去り問題」があります。離婚を考える親が、親権を確保できる監護実績を作ろうと子どもを連れて姿を消す事象で、海外では「誘拐」と判断されます。長年この問題を追いかけてきたライターの上條まゆみさんが、連れ去りの実態を解説します。
前編記事『想像を絶するDV夫のたくらみ。「した側」なのになぜかメンタル不調を訴えて休職、その真相とは【共同親権を考える】』に続く後編です。夫はわざと自分の頭をぶつけて血を流し、殴られたと騒いで警察を呼んだ
「夏休みに夫が突然、子どもたちを夫の実家に連れていき、その近所のスポーツスクールの合宿に行かせようとしたんです」
当時、小学2年生だった長男は喜んでいたが、まだ3歳になったばかりの次男はいやがり、家に帰ってきた。夫がもう一度、連れていこうとして車に乗せたので、美穂子さんは「無理に行かせなくても」と言った。そうしたら夫は激昂し、自分の頭を車にぶつけて血だらけになった。そして、まるで美穂子さんが殴ったかのように騒いで、警察を呼んだ。
「かけつけてきた警察は、私を加害者としては扱いませんでしたが、夫を諌めることもありませんでした」
警察は、「今日は互いに興奮しているから、いったん距離を置くように」として、美穂子さんは自宅に、夫と次男はホテルに泊まるように促した。
これに従ったのが失敗だった。そこから夫はスマホの電源を切り、連絡を絶った。
諸々の状況から、夫と子どもは夫の実家にいると推測されるが、わかるのはそこまで。その日からいまに至るまで、美穂子さんは子どもと断絶されている。
なにも悪いことはしていない被害者の側なのに、引き離されたまま救済もされない
美穂子さんのように子どもと理不尽に引き離された親が取るべき法的手段として、「子の監護者指定」「子の引き渡し」「審判前の保全処分」の申し立てがある。三点セットと呼ばれている。
監護者として認められるには、これまでおもに子どもの世話をしてきた側が有利だと言われている。多くの場合、母親だが、引き離されてから子どもの世話をしていない時間が積み重なってしまうと、母親でも不利になる。
美穂子さんも三点セットを申し立てたが、家庭裁判所では、夫が監護者として認められてしまった。
「一方的に子どもを連れ去ったことが、監護権やその後の親権をとるために有利になるしくみが、まずおかしいと思うんです」と、美穂子さん。
その後、控訴し、高裁では一転、美穂子さんが監護者として認められた。しかし、夫は子どもを引き渡そうとしない。「子どもがいやがっている」の一点張りで、その真偽は不明である。
「連れ去られる直前まで、私と子どもの親子関係は良好だったので、子どもがいやがる理由はありません。万が一、子どもがいやがっているとしたら、それは夫が私の悪口を子どもに吹き込んでいるせいだと思います」
美穂子さんは、子どもを引き渡してもらうための人身保護請求も申し立てて勝訴した。しかし、夫は応じない。1日2万円の間接執行が認められたが、それも夫は無視している。
「裁判所の判決を守らなくても咎められない状況を、いったいどうすればいいのでしょう」
ある日、突然、夫あるいは妻に子どもを連れ去られて、会わせてもらえない。警察も家庭裁判所も助けてくれない。これが、いま、この日本で起こっていることだ。
「私は何も悪いことはしていないし、むしろDVの被害にあった側。それなのに、こんな理不尽な目にあうなんて」
この4年間、暗闇のなかでもがいてきた。
「何度も死にたいと思いましたよ。でも、死んだら子どもが悲しみますよね」
美穂子さんの笑顔が、くしゃっと崩れる。
愛する子どもに会えないことは、言葉では言い表せないほどのつらさだと想像する。それはもう、肉体的な痛みだろう。
いったいどうすれば「子どもと会えない母親」を救えるのだろう。
(取材・文/上條まゆみ)
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