「6千万円で裏口入学できたなんて…」娘のお受験に失敗して不倫に走った、エリート妻の末路は【銀行員たちの不倫事情】前編
財布が物語る、壮絶な夫婦関係
「その財布は包丁でズタズタにしてあったんです」
これには啓司さんも驚いたようで、しばらく二人とも言葉を失っていました。しばらくの沈黙ののち……。
『ねえ。よかったら今日、飲みに行かない?』
そう言った彼は、どこか吹っ切れたような顔をしていました。
『良いんですか?次は何をされるか分かりませんよ』
『もう良いんだ』と彼は言います。『いつも聞けない子供の話もしたいし』と。
彼女の胸が重く痛みました。つい先日、娘の小学校受験を失敗したばかりだったからです。
お受験は夏期講習で200万、1つの小学校を対策する1つの科目に、10万円近いお教室代が飛んでいきます。それでも彼女は頑張って払ってきました。
「私は生まれも育ちも貧しかったから、銀行に入ってずっと負い目を感じていたんです。大手ゼネコンの娘とか、上場企業の息子とかゴロゴロいるんで」
娘に苦労をさせたくない。そう思って私立の小学校受験させたのに娘は不合格。そしてなぜか、明らかに出来が悪かった子が受かっていました。
「そこで寄付金の制度を知りました。娘の第一志望だった小学校は、6千万円積めば裏口で入れるらしいです」
虚無感を引きずっていた京夏さん。このときはまだ啓司さんに対し、全く興味を持っていませんでした。小学校受験をさせると、お受験をしなかった人たちへの興味が一切なくなるのです。物腰が柔らかで、スリムで聡明な彼は店でも人気がありましたが、彼女のタイプではありませんでした。
「でも、彼と飲みに行けば、あの鬱陶しい妻に嫌がらせができるかもしれない」
むしゃくしゃしていた京香さんは、そう考えて承諾しました。
啓司さんが指定してきたのは、恵比寿のバーでした。どうせ受験の話を聞かれるんだろう。彼女は憂鬱に思いながら、業務後にバーへ向かいました。
しかし、事態は思わぬ方向に進んでいったのです。
後編に続く▶▶「6千万円で裏口入学できたなんて…」娘のお受験に失敗して不倫に走った、エリート妻の末路は
<文/登彩>
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