交際中に「乳がん」が発覚!宣告された日にプロポーズを受けた彼女が出した答えとは【オトナ婚/第21話(後編)】
交際してすぐにまさかの乳がんが発覚
――運命の出会いを果たし、幸せな交際が始まったのもつかの間、ゆうこさんに病気が発覚します。
はい、出会ってから8ヶ月後に交際をスタートして、直後に私が乳がんであることがわかりました。
乳がんの予兆は全然なくて、あるとき胸にあざみたいなものがあることに気がついたことがきっかけです。日にちが経ってもなかなか消えないし、触ると腫れている感じもしたので、彼と一緒に病院に行って、それで乳がんということがわかりました。
その時がステージ2。去年手術をして抗がん剤治療もして、今はホルモン療法の段階です。抗がん剤治療はつらかったですが、今はそれも終わりだいぶ楽になりました。
一時期は全身の毛も抜けてしまいましたが、今は髪も眉も随分生えてきましたよ。
がんの告知をされた日にプロポーズ
――乳がんとわかってすぐにお二人は結婚をされたと伺いました。
はい、交際から2ヶ月の時に病院でがんを告げられて、その日の夜にプロポーズされました。がんを告げられた当日だったので、私としても「いいのかな」「その場の状況に流されて、お互い感情的になっているだけじゃないかな」という不安はすごくありました。彼自身がとても責任感が強いタイプなんで。
――好きだからじゃなくて、責任や同情心で言わせてしまっているのでは、と思ってしまったんですね。
はい。それに彼もシングルファーザーで、彼の元にはまだ2人の息子がいました。ちょうど下の息子さんが来年高校卒業という時期で、まだ未成年だったので、私自身、結婚という話はまだ先のことだろうな、と思っていました。
実際プロポーズされた時も彼の息子さんたちにも申し訳ないと思いましたね。それでも「今はゆうこを支えたい」と言ってくれて。よく考えた結果、甘えさせてもらうことにしました。私自身もパニックだったしすごく落ち込んでいたので。そうやって結婚したのが私が41歳、彼が46歳のときでした。
――ゆうこさんの闘病生活を支える覚悟が旦那さまにはあったんですね。
抗がん剤を打つと見た目もすごく変わってくるんですよ。髪の毛が抜けるだけじゃなくて、肌色も悪くなるし、むくむし。私自身も治療の中で自分がどんどん醜くなっていく、という自覚がありました。そうすると自分に自信がなくなってきます。一緒に歩くのも申し訳ないと思っちゃうんですよね。「こんな自分で彼は本当に後悔してないかな」とネガティブな考えになることもよくありました。
それを彼に告げると「結婚したことを全然後悔してないよ」と言ってもらえて、それはすごく心強かったですね。
旦那さまと3人の子どもに支えられて
――結婚後はすぐに同居を始めたんですか?
はい、私がこういう状況なので、彼の息子さんたちも「そばにいてあげた方がいいんじゃないか」と言ってくれて。
なので、バタバタと私と彼と子ども3人、5人での生活が始まりました。みんな大人なので、私としてはその方が落ち着いて治療に取り組めてよかったです。
――娘さんのことは心配ではなかったですか。環境が大きく変わりましたが。
娘は、それまで家の中に男性がいたことがなかったので、最初は抵抗があったみたいです。でも仲良くなるまでそんなに時間かからなかったですね。
夫も夫でトランプとか人生ゲームとか、同居を始めるにあたって子どもと一緒に遊べるものをいろいろ準備してくれていて、そういうので遊んだりしながら少しずつ距離を縮めていきました。彼が娘に歩みよって、努力をしてくれたことにすごく感謝しています。
おかげで今では娘は実の父よりも彼との方が仲が良くて、何でも話せる関係になっているみたいです。よくしゃべっているし、一緒にお出かけもしています。私の方がびっくりするぐらい(笑)
抗がん剤治療も終わり、幸せに過ごす日々
――結婚と同時に乳がんの治療が始まって、結婚生活は大変なスタートだったと思います。
大変な時期もありましたが今は抗がん剤治療も終わって、これまでで一番幸せな日々を過ごしています。それもすべて夫の協力があって、とのことです。
私は今治療も終わり仕事復帰をしているのですが、疲れて帰ってきた私をすごくいたわってくれます。洗濯など家事も率先してやってくれます。もともとシングルファーザーとして子どもを育ててきたので、家事をすることに抵抗がないし、なんでも上手なんですよね。
――一緒に病気を乗り越えて、今あらためてゆうこさんから見た旦那さまはいかがですか?
楽しいというよりは、「尊敬できる人」です。毎日たくさん会話もするし、買い物に行くのも一緒に行きます。一緒にいると落ち着くし、居心地がいいですね。本当に直してほしいところがないんです。
喧嘩もほとんどしませんし、いつも隣にいてくれるという安心感がありますよね。遠くから見ていた人が今は自分の隣にいるという現実を、今でも「不思議だな」って思っています。「あ、私、この人と結婚してるんだ」って、今でも時々思っちゃうんですよ(笑)。
というのも、がんの宣告をされた時に「この人と一緒にいられるのは、あと少しかもしれない。いやだ、もっと一緒にいたい」って思ったんです。その「一緒にいたい」という夢が毎日毎日叶っているという感じですね。すごくありがたいことです。
ちなみに私の夢は「自分が長生きして旦那さんを看取ること」。夫の最期まで一緒にいたいし、私自身も病気に負けずまだまだ長生きしたいと思っています。
――深いですね。病気を経験したからこそ、生きている1日1日が本当ありがたいと。
そうですね。夫とあれ食べたいね、これ食べたいね、と話している時や、彼がおいしそうにごはんを食べているのを見ている時などは、幸せだなと感じますね。
シングルマザーで大変だった時期もありましたが、自分の生き方を貫いてきてよかったなって思っています。
――ゆうこさんと同じ40代で、婚活を頑張っているみなさんに伝えたいことはありますか?
はい、私はシングルマザーということもあり、30代は自分を全然大事にしてきませんでした。体力的にも無理をしていたし。そんなことが蓄積して病気になったのかな、と反省する部分もあります。なので、40代の女性は、忙しく頑張ることも大事ですけど、無理はしないでほしいなと思います。
一生懸命な時って気づかないんですよね。それで時間が経ってから「あの時はかなりしんどかったな」とか「私よくやってたな」と思うもの。無我夢中の時もちょっとだけ足を止めて、今の自分を振り返ってみる時間を作ってほしいと思います。
■ゆうこさんからのメッセージ■
・頑張るのは大事だけど無理はしない。自分を大切に。
・夢中になっている時こそ、一度立ち止まって落ち着いてみる。
・1人を楽しむことができるようになる。
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