円形脱毛症の治療法は?「頭皮に注射」⁉特定の免疫を抑える新薬も!(後編)【ヘアロス】
「根治」のための治療方法はない
円形脱毛症の治療は対症療法です。根治に至る治療法は確立されていません。軽快・増悪を繰り返し、エビデンスのある治療法は少なく、治療に難渋することもあります。重症化してからの病歴が長いほど予後はよくありません。
1ページのような治療法を行いますが、発毛が認められない場合もあります。発毛が認められてからも休薬後の再発率も高いといえます。また、再発を予防できる治療法はないとされています。
何度も円形脱毛症を繰り返す方は、疑わしい「誘因」を少なくすることが再発予防につながる場合もあるかもしれません。また、重度の円形脱毛症に罹患した経験のある方は、小さな脱毛斑の再発でもただちに治療を開始することをおすすめします。
生活で注意すること
- 精神的・肉体的に余裕のある生活
- 適度な休息
- バランスのよい食事
- 適切なヘアケア
- 禁煙
円形脱毛症は根気強い治療が必要になります。繰り返したり、なかなか発毛がみられないこともあり、治療が長期に渡ります。見た目の印象を大きく左右するので、患者さんの悩みは深く、QOL(生活の質)にも大きく影響します。QOL改善のため、ウィッグを使用したり、医療用帽子やヘアスカーフなどを利用してみるのも一案です。
よくなっても油断せず、悪くなってもがっかりしないでください。今は多様性の時代です。髪の毛がなくたって、気にせず街を闊歩できる……そんな日がすぐそこにきている気がします。
また、”毛髪ビジネス”には要注意! 特にすぐれた発毛効果がないのに、効果があると謳って過剰な料金を請求するグループもあるので気をつけてください。
※日本皮膚科学会「日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」に基づいた診療
※病院によって、治療法が異なることもあります
監修:東京医科大学病院皮膚科、ワタナベ皮膚科 入澤亮吉先生
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本性感染症学会認定医。日本皮膚科学会東京支部代議員、日本皮膚悪性腫瘍学会評議員、日本褥瘡学会評議員。1988年東京医科大学卒業。同大学病院皮膚科病棟医長を経て、2021年より東京医科大学病院皮膚科 講師。特定非営利活動法人 円形脱毛症の患者会 監事
【ヘアロス】
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