3高イケメンと結婚したのに地獄。「不倫に逃げるしかなかった」恐怖の新婚生活
同棲相手の浮気発覚で家を飛び出した32歳
「元夫とは、私が33歳の頃に結婚しました。32歳の頃、同棲相手の浮気が発覚して、家を飛び出して女友達の家に避難しました。福岡の親は『実家に帰ってこい』と言うに決まっているので頼れず住む家もすぐには見つからなくて……。意気消沈している私のために友達が開いてくれた合コンに、元夫が来ていたんです」
その頃、綾子さんは、大手百貨店に入社して10年目。「地元の福岡に帰ってきてほしい」という両親の願いを受け流しつつ、同期社員の学さん(仮名)と同棲生活を満喫していました。
「当時働いていた百貨店は待遇が良くて、夏休みが長かったんです。有給も併せて3週間ほど夏休みをとって、短期留学気分でハワイに滞在して帰ってきたら、部屋にピアスが落ちていました。さらに、彼が雑誌の『百貨店男子の飲み会コーデ』という企画に出ていて、『推薦者』として名を連ねていたのが、会社の後輩女子でした」
その女性と浮気をしたことを認めた学さんは、開き直って「その子のことを好きになったかも」と言い出したそうです。
「頭に来て家を飛び出して、友達の里代(仮名)の家に避難しました。里代は、かつて同じ雑誌で読者モデルをしていた10年来の仲で、東京のお金持ちのお嬢様でした。両親が投資用に買ったという2LDKに一人で住んでいたので『ビジネスホテルに行くならしばらくうちに来なよ』と言ってくれて」
2週間ほど滞在させてもらい、無事引越し先のワンルームマンションを見つけた綾子さん。 「証券会社で働いていた里代はすごくいい子で、私に同情してすぐ合コンを開いてくれました。そこに来ていたのが、外資系保険会社の営業をしていた元夫の翼(仮名)です。年は3歳年上でした」
翼さんは、長身でタレ目の、韓流俳優のように爽やかなルックスでした。
「もちろん好みはあると思いますけど、背の高いイケメンで高そうな時計をしていて、ジャンルとしては『港区男子』? すなおに『かっこいいのが来たな。今日は当たりだな』って思いました。向こうも同じ気持ちだったみたいで、飲み会の次の週には、恵比寿のイタリアンレストランでワインを飲んで、意気投合しました。今思うと、何をもって意気投合というのかは微妙ですが、多分彼が私の話に併せていたんだと思います。だって、蓋を開けてみたら、趣味も嗜好も何の共通点もないので……」
その日の夜に彼のマンションに泊まって、2人は付き合うことになったそうです。
幸せなはずなのに「祝福されない」結婚
翼さんと付き合うことになったと伝えると、里代さんは「展開早いね。よかったね」と喜んでくれたものの、時間が経つにつれ徐々に言葉を濁すようになったそう。
「優しい子なので『あんな奴やめなよ』とは言いませんけど、『本当にいいの? もう1回飲み会やるよ、今度は外資系証券会社の若いイケメン呼ぶよ』とか『言いたくはないけど評判があんまりよくないよ。彼の周りの人にいろいろ聞いてみて…』とか。私は、浮かれていたので少しムッとして『嫉妬かな』と聞き流していました」
ある時は思い余って、翼さん本人に、里代さんの言葉をやんわりと伝えたこともあるという綾子さん。
「彼は一瞬顔をこわばらせたものの、『俺は嫉妬されやすいからなぁ。里代ちゃんは俺に顧客を取られた誰かに、何か嘘を吹き込まれたんじゃない。俺は気にしないけど』と鷹揚に笑ってくれました」
その後、綾子さんの父親が福岡で会社を経営している「そこそこの資産家」だと知ると、彼が急に結婚を口にするようになったそう。
「彼自身はアメリカの大学を中退していて、当時は年収1,000万以上ありました。でも家庭環境は複雑で、実家の両親は離婚していて母子家庭育ち。『母親とも弟とも半絶縁状態』だと聞いて、私の父と母は、結婚に難色を示しました」
障害があると恋が燃えがちな30代。親を説得している段階で綾子さんは妊娠してしまい、しぶしぶ両親も結婚を許可。
「彼が家族と交流がないというのでハワイで二人だけで結婚式をあげて、福岡では老舗ホテルで両親と妹と『小さな結婚式』をしました。少し寂しかったですが『まぁできちゃった結婚だからこんなものかな』と、諦めました」。