3高イケメンと結婚したのに地獄 「不倫に逃げるしかなかった」恐怖の新婚生活
仕事も荷物も逃げ出して決死の逃避行
その裏で綿密に計画を練った綾子さんは、夫が外出する日に休みを取り、仕事も荷物も投げ出して貴重品だけを手に、福岡に緊急帰省。
すべて母親に打ち明けます。興奮状態が落ち着いた翌日、職場に体調不良でしばらく休むと電話して、結局そのまま退職しました。
「今になって、あの状態なら適応障害の診断は出たと思うので、休職すればよかったと思います。正社員だったのにもったいないって。でも、そんな判断ができないくらい、緊急事態だったんだと思います」
翼さんは、最初は離婚を拒絶していましたが、綾子さんの父親が「車は譲るし、ローンを払う」と持ちかけると軟化。
「私が浮気をしたとはいえ、その前に彼がしたことを思うと、そこまでするべきではなかったのかもしれません。ただ父は経営者としていろいろな人を見ているので、『あの男は粘着質だ。金を払っても縁を切るべきだ』と判断したみたいで…」
結果的に、父親の判断が功を奏して、翼さんがごねることはなかったそう。
「立て替えた家賃や生活費は返す必要はない。置いてきたものは処分代がかかるだろうから必要書類以外は譲る。置いてきた車も譲って、こっちがローンを払う」という条件を弁護士が提示した後で、翼さんは離婚届に押印しました。
離婚後に、綾子さんは母親に、
「なんで浮気なんてしたの! 普通に逃げてくれば強く出られたのに」
と、至極まっとうな叱責をされたそうです。
「返す言葉もない状態ですが、あの時は多分私は鬱でした。不倫をするとドーパミンやアドレナリンが出るっていうじゃないですか。そういうものの力を借りて、エイッてジャンプしないと、プライドに足をとられて穴から抜け出せない精神状態だったんだと思います」
40歳になった綾子さんは、福岡で自動車メーカーの正社員として工場で働く男性と再婚し、一女を授かって平穏に暮らしています。土産物店のパートをしながら、「ハワイで3週間の休暇を満喫した正社員時代」を懐かしく思うこともあるそうです。
「あの時どうするのが正解だったのか、その段階で間違えたのか、今でも考えることがあります。里代や学の奥さんには謝罪したいですし、正論はいくつもいくつも思いつきますけど。『じゃあ、あの時の自分にそれができたか』と考えると、いつもそこで思考停止してしまうんです」
注記: 本作品は、実際の取材に基づいたセミフィクションです。 個人情報保護の観点から、一部内容に脚色や変更を加えています。
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