美味しさの決め手は植物油!油の達人に聞く植物油の魅力 vol.7/@サラダの店 サンチョ河原町本店【綿実油】
オリーブオイル、えごま油、亜麻仁油など、世界的な健康志向のなか植物油が注目されています。そんな植物油を、個性的、かつ積極的に使用している飲食店のオススメ料理を紹介するとともに、植物油への思いや家庭で上手に使うコツをお伝えしている本連載。
今回は、綿実油(めんじつゆ)を使ったドレッシングのサラダが人気の「サラダの店 サンチョ河原町本店」を訪ねました。
京都でも屈指の行列ができる同店の看板メニューであるサラダへのこだわりと美味しさの秘密、そして、綿実油についてお話を伺いました。
※トップ画像:ホワイトアスパラサラダ 1,000円
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1972年の創業以来、看板メニューはサラダ!
京都きっての繁華街・四条河原町の交差点からすぐの裏通りに、いつも行列ができている店があります。それが、「サラダの店 サンチョ河原町本店」(以下、「サンチョ」)です。お店の外には写真付きで揚げ物などの洋食メニューがずらり。「でもサラダの店って冠しているのね。どんな店なんだろう」と、ネットで検索してみたところ、「メインはもちろん、サラダが絶品。いくらでも食べられる!」などとファン多数。長年、愛されているオリジナルドレッシングには綿実油が使われているという情報をゲット! これはぜひ話を聞きたい(そして、食べてみたい♡)とお店に伺ってみることにしました。「サンチョ」のオープンは1972年。筆者しかり、お店と同世代の「オトナサローネ」読者も多いのではないでしょうか(笑)。メニューにはハンバーグやエビフライ、コロッケ、ビーフカツなど、「ザ・日本の洋食」といった料理が記されていますが、そうなんです、店名にはしっかりと「サラダの店」という枕詞が付いているのです。なぜこれほどサラダ推しなのかと、店長補佐の森脇郁二さんに質問してみると──。
「以前、神戸にサラダを主体とした『赤ひょうたん』という洋食店がありました。そこで修業した社長の村松保昌が『赤ひょうたん』のサラダの味を受け継ぐかたちで、『サンチョ』をオープンしたと聞いています」
以来、50年以上、「サンチョ」は、新鮮な野菜を使ったサラダを看板メニューにしてきました。なんといっても店名に「サラダ」と入っているくらいです。
「単品でサラダをオーダーしなくてもほぼすべてのメニューにサラダがのってきます。付け合わせのサラダは、メイン料理と同じお皿にのっているので少しわかりにくいかもしれませんが、それでも葉野菜だけで150g。これにさらにトマトが加わります。これほどたくさんの野菜と一緒なら、揚げ物を食べてもバランスが取れそう!とおっしゃるお客様も多いんですよ(笑)」
シャキシャキの野菜と自家製ドレッシングは相性抜群
「時間を置くと水っぽくなってしまうので」と、サラダは、毎回、オーダーが入るごとに作っています。味付けは、ニンニクを漬け込んだ綿実油、塩、コショウ、穀物酢などを合わせたドレッシングで下味をつけ、さらに上から手作りの自家製サウザンアイランド(マヨネーズ)系ドレッシングをかけます。卵、刻んだピクルス、セロリ、綿実油などで作られた、塩味と甘みのバランスが絶妙なサウザンアイランド系のドレッシングは、キリっとした下味のドレッシングの味を合わせることで、よりまろやかな味わいに。シャキシャキの野菜との相性は抜群で、永遠に野菜を食べていられそう。「サンチョ」のサラダで野菜嫌いを克服したという人が多いというのも納得です!
下味のドレッシングと、その上からかけるサウザンアイランド系のドレッシング、どちらにも綿実油を使っている理由を、森脇さんはこう説明してくれました。
「社長いわく、綿実油は、癖がなくて毎日食べても飽きのこない味に加え、リノール酸とビタミンEが多く含まれていてカラダにも良いんだとか。そんな綿実油に行きついて以来、20年以上ずっと使っているんです。」
あれもこれも食べたいなら「セレクトセット」が◎
サラダ以外のメニューも美味しそうです! 森脇さんにおススメを聞いたところ、間髪入れずに、「創業当時からある照焼ステーキですね。とてもご好評いただいています」との回答が。こちらは、脂のサシが少なめのカイノミを使った牛肉のステーキで、多くの人がイメージする照り焼きとはひと味もふた味も違います。白味噌と赤味噌、にんにくなどを使ったソースはどこか懐かしさを感じるやさしい甘さをたたえていて、なんといっても、肉の柔らいこと! 定期的に食べたくなります。
こちらの「セレクトセット」(2,600円)をいただきました。おかずを2つ選べ(今回は看板メニューの照焼ステーキとチキンカツをセレクト)、さらにフルポーションのサラダ、ライスorパン、スープor生ジュースが付いています。あれもこれも食べたくて選べない~、もちろんサラダもがっつり全力で食べたいという人に是非ともお試しいただきたい、「サンチョ」のいいところ取りができる大充実のセット。ちなみに揚げ物や炒め物には綿実油ではない植物油を使っているそう。
「ラードって、お腹が空いている時は食欲をそそるのですが、満たされてくると少し重たく感じてしまうので、もっぱら植物油──、キャノーラ油を使っています。動物性の油と比べて、植物油は料理の後の処理もしやすいですしね」
自宅で美味しいドレッシングを作るには⁉
最後に、森脇さんに、綿実油をはじめとする植物油を使って、美味しいドレッシングを作るコツを伺ってみました。
「僕が自宅で植物油を使ってドレッシングを作るなら、そうですね、醤油と油を1:1で合わせ、さらに0.5分の酢を加えます。酢は穀物酢かアップルビネガー。最後はブラックペッパーで味を調えます」
普段あまり料理をしない人でも、分量をはかって合わせるだけのドレッシングなら簡単にできそう。これで野菜が美味しく食べられるならうれしいですよね。ぜひ試してみてください。
「綿実油をはじめ、植物油は癖があまりないので、何かを漬け込んで香りを付けてみるのもいいですね。ハーブを入れた瓶は見た目もおしゃれですし、この香り付けしたオイルを市販のドレッシングに少し入れると風味が豊かになるのでオススメです」
サラダの店 サンチョ 河原町本店
住所/京都府京都市中京区裏寺町通四条上ル中之町572
電話番号/075-211-0459
営業時間/11:30~15:30 L.O.、17:00~21:00 L.O.
定休日/水曜
※月1、2回は連休があるので来店前に公式HPで確認を
https://sancho.co.jp/
>>様々な植物油の特徴やレシピを知りたい方は、日本植物油協会のHPをチェック!https://www.oil.or.jp/
取材・文/長谷川あや 撮影/中庭愉生
取材協力/一般社団法人 日本植物油協会