DV夫と離婚したら、娘は私立から公立に転校。八方塞がりの50歳妻がとった現実逃避とは

2024.10.10 LOVE

それは幼児虐待だと妻がキレたら、グーで殴られる

もともと、正太郎さんは外面が良い反面、家ではちょっとしたことで癇癪を起こして、椅子を蹴ったり壁を殴ったりして怒鳴ることが多かったそう。

 

「子供が小さい頃は、大人の思うようにならないことが多いじゃないですか。
やれ、子供に物を投げられたから、しつけとしてひっぱたいたとか。やれ、おもらしをしたから、罰を与えただとか……。
『入っちゃいけない』と言っていた彼の仕事部屋に子供が入って、お気に入りのソファにおもらしをしてしまったんですけど、子供の目の前でおもちゃのラジコンを『今のお父さんの気持ちだ』と水没させて見せたんですよ。信じられません。
虐待すれすれというか、ほとんど虐待という行為が目立ちました。

それに対して、私が『あなたの怒り方は異常。サイコパスじゃないの? 虐待をやめないと通報する』と怒鳴って子供の味方をしたところ、グーで殴られました」

 

子供に対しては、痣ができるような暴力は振るわず、軽くひっぱたく程度だったという正太郎さんですが、美幸さんに対しては本気のパンチで、全治2週間の怪我をしたことも。

 

「カウンセラーさんに相談した時に、『ご主人の行為に対して、怒鳴り返すのではなく、試しに穏やかに注意してみたらどうだろう』と提案されたこともあります。
でも、もう手遅れでした。夫は、一度『自分を見下す敵』とみなした私を攻撃するようになりましたし、私は私で子供が小さいうちは雌ライオン状態。『子供に危害を加えるやつに冷静ではいられない』ガルガルなメンタルだったので、怒鳴ってしまう。それは、子供がある程度育っても続いていました」

 

子供が産まれる前までは、美幸さんにも余裕があったので、「そういう言い方はやめたほうがいいよ」と穏やかな口調で言い返しており、正太郎さんもイラッとはするものの「椅子を蹴る」「壁を殴る」程度の癇癪だったとのこと。

 

「夫の姑息なところは、子供に危害を加えたら即事件化することが分かっているので、子供に対する暴力は軽いんです。幼児期に何回か軽く頬をひっぱたいたことがあるくらい。ただ、物を叩いたり怒鳴ったり、嫌味な怒り方をして精神的に追い詰める。
そして、それを見て激昂して非難する私を、物のように扱って蹴ったり殴ったりするんです」

 

 

診断書をとって警察に相談しても迷いが

一度は、診断書をとって警察に相談した美幸さん。警察では事件化することは可能と言われたものの、その場合は夫の会社に連絡がいくが、それでも構わないか?と確認されたそう。

 

「正直、それは困ると思いました。そうなったら離婚待ったなしになるわけで、さらにクビになったら養育費がもらえるかもあやしいです……。
長男は、小さい頃は父親を怖がっていましたが、小学校にあがる頃から変わってきました。夫はヒステリーを起こすくせに甘やかすのも上手で、おもちゃやゲームをやたらと買い与えて息子に懐かれ始めました。さらに、子供達がある程度『やり返せる』体格になってからは、子供の前でのDVはなくなりました」

 

子供がいるリビングで夫婦喧嘩をした時には、正太郎さんはいったんは椅子などを蹴飛ばして外出し、子供の目がなくなったタイミングで酒臭い息をして部屋に戻ってきて、思い出したように妻を蹴りつけたりするとのこと。

 

「長女は思春期らしく父親のことを嫌っていますが、経済的には今の環境を手放したくないようです。私が卒業した女子校と同じ学校に小学校から通っているんですが、夫婦喧嘩の後に『もしパパとママが離婚しても転校しなくていいんだよね? 私、転校させられるなら離婚してほしくない』と言われました。かといって父親の元に残すのは不安ですし、多分、私1人で育てるとしたら公立の学校に行かせないとやっていけないと思います」

 

八方塞がりの美幸さんは、恥も外聞も捨てて、同窓会の後に同級生に悩みを相談したそうです。

 

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【編集部より】

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