「親は仲が悪いし、家は居づらい」と荒れはじめた子どもたち。壮絶な夫婦喧嘩のなかで、蝕まれた子どもたちの末路
女友達に誘われ既婚者サークルへ
夫の正太郎さんと大きな喧嘩をする度に、目の周りに痣ができるような激しいDVを受けていたという美幸さん。
「今までは、高校の友達には恥や見栄もあって相談できませんでした。でも、娘も息子も反抗的でストレスはマックス。
最近、娘のメイクの濃さや帰りの遅さについて叱った時に『両親は仲が悪いし、家は居づらい。彼氏や友達と遊べなくなったら私は死ぬ。それと、親友と離れて転校することになっても、死ぬかもしれない』と言われてしまいました。
私自身も更年期もあってか、死にたい気持ちが強くなって……。
同窓会の後に、一番仲の良い友人の真弓(仮名:50歳)とお茶をしながら、すべて打ち明けてしまいました」
真弓さんは、美幸さんの給料や実家の状況を聞き出して、「なるほど。どうしても娘を転校させたくないなら離婚は数年後だね」と、一緒に考えてくれたそう。
「それで、『じゃあ、大学卒業まで最低6年間は離婚の準備をしながら気晴らしをして、家で機嫌よくいるのが現実的かな』と、昼の飲み会に誘ってくれました。
その飲み会は、既婚者同士で交流を深める『フランス料理教室』という体裁をとっていますが、要は合コンサークルです。今はそういう場を提供するアプリやサービスもあるみたいですが、真弓が紹介してくれたのは知人の招待がないと参加できない会員制のものでした」
40代から50代の既婚者男女が集まった料理教室は昼間に行われており、参加者は料理を作ることなくシェフのデモンストレーションを見てメモを取る形式。最後にランチコースとワインが振る舞われるそうです。
「そこで、IT企業勤務の牧夫さん(仮名:55歳)と知り合いました。
彼は、同業の人と人とを繋ぐプラットフォームを作る仕事をしているとのことで、『例えば今日のこの会みたいなことかな』と、自分の仕事について一生懸命説明してくれました。
奥さんは中国出身の方で、娘さんが1人いるそうです。最近では、趣味でコーチングや心理学を勉強しているそうで、鬱病寸前の私の悩みを相談しているうちに、深い仲になってしまいました」