「私を溺愛する彼」がDV夫に。10年にわたる壮絶な日々の終止符は、まさかの「心中未遂」。44歳バツイチ女性がマッチングアプリを利用するまで【体験談】
マッチングアプリでの出会いは、もはや当たり前。こども家庭庁が2024年7月、10代から30代を対象に行った調査では既婚者の4人に1人(25.1%)がマッチングアプリで配偶者に出会ったと回答しました※。
そうした風潮の今、離婚歴のある40代50代女性もマッチングアプリを利用しています。本シリーズでは彼女たちの離婚の経緯、なぜマッチングアプリを使っているのか、離婚経験者ならではのマッチングアプリの利用法を取材していきます。
今回は、DVを受けて男性恐怖症になった44歳のバツイチ女性が無料マッチングアプリを使うワケをお伝えします。
【マッチングアプリに集まる「バツあり女性」たち】#3
彼からの束縛を「愛されている証」だと思っていた
母子家庭で育ったCさんは幼いころから「幸せな家族」への憧れが強く、21歳で結婚。相手は、19歳で交際開始した、友だちに紹介された同い年の男性でした。
「付き合っているときは、私にすごく甘かった。彼は、日勤と夜勤がある工場で働いていました。給料は教えてくれなかったけど、ほしいものはなんでも買ってくれた。いつも『かわいい』とか『俺にはCしかいない』とチヤホヤもしてくれたので、お姫様みたいな気分でした」
その一方、Cさんにはひとつだけ気になることが……。彼の激しい束縛で日常生活が制限されることがあったのです。例えば、美容院へ行くとき彼は「男の美容師はダメ」と身勝手なお願いを毎回してきたそう。Cさんが「これから、ひとりで買い物へ行くよ」となにげなくメールしたときには、「スカート履いてないよね? 証拠として服装を写真で送って」と言われもしました。
「でも、当時の私は馬鹿で、愛されているから束縛されるんだと思っていました。こんなに私のことを愛してくれる人は彼しかいないとも思っていたんです」
DVのきっかけは、幼なじみの男性と話し込んだこと
彼から日常生活が制限されるほどヒドい束縛をされていたものの、それを「愛されている証」と思い、21歳で結婚に踏み切ったCさん。しかし、その先で受けたのはDVでした。DVが始まったのは、結婚から3ヶ月後のこと。きっかけは、彼と一緒に出かけたショッピングモールでCさんが幼なじみの男性と話し込んだことでした。
「8年ぶりくらいに会ったのでなつかしくて、10分ほど話し込んでしまったんです。話し終わったときから彼は『あいつとどんな関係なの?』と不機嫌でした。私は幼なじみであることや彼氏彼女の関係になったことはないと説明しましたが、家に帰った途端、下腹部を殴られました」
この日から、Cさんは日常的にDVを受けるように。高校卒業後から働いていたアパレル店を辞めるようにも言われました。「彼は『あの幼なじみにしてたみたいに、俺の知らないところで他の男に色目を使わないよう仕事を辞めろ』と言いました。逆らうと殴られるので、言うことを聞いて専業主婦になったんです」
自分が悪いから殴られる……当時、Cさんは暴力を受けるたびにそう思っていました。「彼を不安にさせてしまう私が悪いんだなって。彼が殴るのは、おなかやお尻など服で隠れるところばかり。殴ったあとは、いつも『ごめんね。でもそれだけCちゃんのことが好きなんだよ。わかって』と泣いていました」
その涙を見るたび、Cさんは「私こそ不安にさせてごめん」と泣きながら謝ったそう。「逃げる」という選択は頭に浮かびませんでした。
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