元夫が2人ともDV男だった45歳。不倫相手だけやさしいのは「うちの子じゃないから?」
給料は同等でも子育ては母親主導にすべき?
「私と夫は、子供ができる前まで、だいたい給料も同程度でお互い不自由しない額をもらっているので、家賃も光熱費も雑費のざっくり折半で財布は別、という方式をとっていました。でも、私が産休に入ったことをきっかけに家計を見直して、共通口座を作って家族カードで生活費を賄うことになりました。もちろん、個人のお小遣いは残りますが、彼にとって使える額が減ったことはストレスだったみたいです」
買いたいものが買えないストレスや、赤ちゃんの夜泣きのストレス、インテリアにこだわりがあった部屋を赤ちゃんグッズが占有するストレスで、徐々に暴力的になっていったという康夫さん。
「小遣いが少なくてほしいヴィンテージシャツが買えないと不満を漏らしていたくせに、私が育休を半年ほどで切り上げて復職した時は、『最低3歳までは母親が育てるのが常識だろう』と、突っかかってきました。『だったらあなたのお小遣いは半額でいいわけ? なんなら私、専業主婦になろっか?』と聞いたら、頭を掻きむしって『嫌味ないいかたはやめろ。俺の給料が少ないっていうのか?』と、はじめて正面から蹴り飛ばされて、ソファに倒れ込みました」
子供のようなキックに怖さを感じる
中学時代部活で空手をやっていた真由香さんですが、夫の「小学生みたいな力任せに押すキック」に、かえって怖さを感じたそう。
「最初の夫もDV男でしたが、ある程度、けんかとかも柔道とかもしたことがありそうなマッチョでした。『軽く叩いたつもりが鼻を折る』ような相手でしたが、『女は本気で殴らない』くらいの基本理念はあった気がします。2番目の夫は、『怒ると泣きながらがむしゃらに殴ってくる子供』のような恐ろしさがありました。私は空手経験者といっても中学だけですし、男性の力にはかないません。最初の夫と2番目の夫を戦わせたら2番目の夫が負けますが、女性にとってより危険なのは2番目の夫の方でした」
それから、タガが外れたように真由香さんに暴力を振るうようになったという康夫さん。
「多くの場合、原因は家事や育児の分担や金銭の話でした。康夫と私は、給料は同等でしたが、彼は中小の会計事務所の社員で私は大規模な企業の社員。私のほうが、時短勤務など福利の面で恵まれていました。それをいいことに、『子育ては母親主導で当たり前』という態度を、露骨に出してきて。『たまには子供を遊びに連れて行って』と言ったら、男の子なのに女子向けのアニメ映画を見せて自分は映画館でグウグウ寝る適当ぶりで、『父親の自覚があるの?』とキレて、逆ギレがわりに殴られていました」