夫が怖くて震えが止まらない。結婚したとたんに始まったモラハラ、私がとった最終手段は(前編)
夫から突然罵られ…震えが止まらない
ある日、Mさんは夕食の準備が遅れてしまいました。
Mさんは正社員としてフルタイムで働いているので、仕事が繁忙期の時は帰宅が遅くなります。夫は結婚前は「家事は分担しよう」と言っていたのに、結婚後は「家事は女の仕事」と言いきり、何も手伝いません。
Mさんは疲れた体に鞭打って夕食を作り、ようやくテーブルに料理を並べました。すると夫が信じられない言葉を放ったのです。
「もう8時を過ぎているのに、夕食の準備もできていなかったのか。ご主人様が帰宅してすぐに食事ができる状態になっていないなんて、妻失格だな!」
Mさんは夫の言葉に愕然とし、頭が真っ白。あまりにひどい言葉に反論する気力もなく黙り込んでしまいました。それを夫は(無視された)と思ったようで「何か言えよ!」と声を荒げたと言います。
しまいには食事を一口だけ口にして、「結婚したのは失敗だった」と捨て台詞を残し寝室に籠ってしまいました。Mさんは夫のその態度と言葉が心に突き刺さり、震えながらその場にうずくまってしまいました。
モラハラ夫はなぜ豹変するのか
モラハラ夫が結婚後に豹変する心理には、いくつかの背景や要因があります。モラハラ夫の心理は複雑ですが、共通しているのは「支配欲」と「自分の弱さを隠そうとする心」です。
その要因を説明します。
1. 結婚後の「安心感」からの本性の露呈
結婚前、モラハラ夫は「良い人」を演じています。相手に好かれるため、優しさや気遣いを見せる一方で、本来の性格や支配欲は上手に隠しています。しかし、結婚し自分のものになったと思うと、「もう逃げていかない」という安心感から、本来の性格が出てくるのです。
2. 自分の弱さを隠すための攻撃
モラハラ夫の多くは、心の内側に自分への劣等感や不安を抱えています。しかし、それを認めたくない、または他人に知られたくないとうプライドがあるので、相手を攻撃することで自分を優位に立たせようとします。
3. 支配欲とコントロール欲求の強さ
結婚後、妻は自分に従うものと考える価値観を持っている場合があります。特に、「家庭内のルールは自分が決めるもの」という意識が強い場合、妻が自分の期待に応えないと感じると怒りを爆発させます。
4. 他者からの評価とのギャップ
モラハラ夫は、外では穏やかで優しい「良い夫」を演じることが得意です。しかし、家庭内ではそのギャップが顕著になります。外でのストレスを家庭で発散し、自分が支配的でいられる環境を求めるのです。
同じ家の中にいるのに…LINEで罵倒してくるモラ夫の「弱さ」
夜10時を過ぎた頃、ようやく気持ちが落ち着いてきたMさんは、リビングで一息ついていました。そこに夫からのLINEが…。メッセージには「謝る気はないのか?」と一言書いてありました。どう返事をすればいいのか考えていたその瞬間、また夫からのLINEが届きました。
それから次々とメッセージが届きます。
「お前がどれだけダメか分かってるのか?」
「今すぐ返事をしろ!」
「逃げるつもりか?」
夫のLINEは1分ごとに絶え間なく続きました。通知音は鳴りやみません。ふと画面を開くと、そこには40通以上の未読メッセージが並んでいました。そのうちの半分以上が短い言葉での脅しや攻撃でした。
リビングから歩いて数歩の距離の寝室にいる夫なのに、面と向かって話し合いもできずにLINEで嫌がらせをしてくる夫にMさんは恐怖を感じました。
同じ家にいながら直接話さずにLINEを送ってくるモラハラ夫は、実は気の弱く相手の反論が怖いという気持ちが隠れています。LINEを使うことで、顔を合わせずに自分の感情を一方的に伝えられるという「安全な距離」を確保しつつ、相手を攻撃するのです。
モラハラ夫にとって直接の話し合いではなくLINEを使う意味は、相手をいつでもどこでも「追い詰められる」手段だからだと思っています。メッセージを送り続けることで、相手が自分の指示に従わざるを得ない状況を作り出し、支配的な関係を築こうとしています。
怒りやストレスをコントロールできないモラハラ夫は、その感情を相手にぶつけることで発散しています。LINEは感情を即座に吐き出せるツールとして利用しやすく、メッセージが連続することで相手を精神的に追い詰めます。モラ夫は、そのことに快感さえ感じます。
前編では、M子さんのご家庭を舞台に「モラハラの事例」と、「モラハラをする人の心理」について説明しました。後編では、一晩あけたM子さんのご家庭で起こった事件と、M子さんの心境の変化についてお話します。▶▶次のページへ「◯◯で相手を見ることが、モラハラ脱出のきっかけとなる」
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