岩井志麻子 43歳で再婚した私が「40代の結婚」で大切だと思うこと

2017.11.14 LOVE

私の場合、最初の結婚は二十三歳、今も続く再婚は四十三歳のときだった。結婚というものは本当に人それぞれ、人の数だけ形はあると思うが、初婚のときはわりと何もかもが平均的、一般的といっていいものだった。

初婚は「適齢期」だったけれど

なんたって世間一般でいうところの適齢期というやつに当てはまる年齢だったし、相手は二歳上で地元の優良企業の三代目、私は小説は書いていたけれどプロでやっていけるほ
どのものではなく趣味の範疇で、専業主婦として子どもを二人もうけた。

そんな初婚は十年で終わり、同時に私は上京して職業が作家になって小金つかんで変なオバハンとしてテレビでいじられるようになり、韓国ソウルのカラオケ店でバイトしてた
十八歳も若い今の夫と出会って一年で再婚を決めた。経済はほぼ、私が担っている。

 

自分に経済力、立場、社会経験があれば

二度目の結婚はかなり平均や一般を逸脱した特殊例に見えるだろうけど、意外と四十代の結婚としては普通、当然って要素もあるのよ。

自分にある程度の経済力や立場、社会経験があるので、過大な期待を未来に持たず、相手に大きく依存しない。主導権は静かに握っている。こっちにもいろいろ弱みができた分、
あっちの弱いところを把握できる世知も余力も備わってきているし。

 

結婚は「生活必需品」ではなく

もちろん四十代になって一人は寂しくなった、老後が不安でとにかく生活の安定を求めたい、といった理由で婚活する人達を下に見たり異議を唱えたりする気は全然ない。けど私としては、四十過ぎての結婚は生活必需品より贅沢品であってほしいね。

なくてもいいけど、あると心が豊かになる。安物でも事足りるけど、高いものにすれば生活が潤う。お腹がいっぱいになることより、おいしいものを食べることに重きを置く。
こういうの金があれば若くてもやれるし、やればいいけど。歳を重ねた人が、生きてきた年月とともに味わうから価値も意味も増すんでしょ。

 

40代、大人の結婚に大切なこと

今の夫は稼ぎもないし、何をするにしても私主導で、頼りがいがあるとは到底いえない。むしろ手がかかる子どもよ。

それでも、一緒にいると楽しくて幸せ。ある程度の年齢がいくと、求める安定ってものの質が変わる。人に与えてもらうものではなくなるのね。

そもそも贅沢品に対して、金がかかる手間が要ると嘆くなんておかしいでしょ。

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この記事は
作家 岩井志麻子

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