
今日からすぐできる!脳を長持ちさせる「3つの認知機能」を活用する方法とは? 年をとっても元気で楽しく暮らすために大切なことは
ぎんさんの「4人の娘さん」の会話から見えてきたもの
私たちは2007年1月から、千葉県柏市役所の協力を得て、高齢者を対象に介護予防センターで会話実験を始めました。机上の空論ではなく「どのような人の脳が長持ちしているか」というフィールドワークをする必要があると考えたのです。その後、共想法に参加していただいた高齢者の方とともに設立したNPO法人「ほのぼの研究所」において、実施研究に取り組んでいます。
研究を通じて大きな出会いがありました。「100歳の双子きんさんぎんさん」として有名だった、ぎんさんの4人の娘さんたちの会話を解析させていただく機会に恵まれたのです。90歳を超えて、なお元気に会話する4姉妹のみなさんは、年齢が下の相手に対してもフラットに話しかけていらっしゃるのが印象的でした。
「今のことを昔の物差しで計ってはいけないし、昔のことを今の物差しで計ってもいけない。昔には、昔の事情があったのだから」というお話が心に残っています。自分が見ているものや目の前の現実だけで判断をするのではない。高齢で認知機能を保てている人は、ものの見方や考え方が相対化できているのです。
姉妹にも共想法を行っていただいたのですが、ネタが面白いのが印象的でした。「好きな食べ物」ひとつでも、大いに盛り上がるのです。このように、好奇心が強く、新聞やニュースをしっかりと見ている人は、90歳でも頭がクリアな可能性が高いです。
どんどん新しい友達を作る、人との交流を保つ、そのマインドセットが重要
老後の生活で、他人との交流がないというのは大きなリスクです。
同世代の友達は、年を取ると少なくなっていきます。そこで新しい仲間を作ったり、年下の友達ともフラットに交流できればよいのですが、なかなかそうはいかず、話す相手が減る一方……というケースを多く見かけます。
また、若い人と仲良くしようと努力している場合でも「自分の言っていることが正しい」という頑固な考え方になっていると、あまり良くないですね。脳を長持ちさせるという観点では「私が間違っていたら教えてね」と相手に伝えて、実際に間違っていた場合には指摘してもらえるような関係性が大切です。
「もう年を取ったから……」と消極的にならず、新しい友達を作ることができる、
アルツハイマー病にかかっても「発症しない」人もいる。その秘密は… 次ページ
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