
憧れの「回らないお寿司」、身近な「回転寿司」。知っておきたい意外な歴史【食の教養】
日本の食文化を語る上で忘れてはならないのが寿司でしょう。江戸前寿司から回転寿司、コロナ以降は完全予約制、コースで供される高級寿司店もそこかしこに誕生しました。一応、予約制になっていても、一見では入れない店もたくさんあるとか。寿司を美味しく食べるためのマナーをご紹介する前に、寿司の歴史を辿ってみます。
寿司の起源は、すごく古い!
中世から近世:発酵から変化へ
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江戸前寿司の誕生
回転寿司の誕生とメニューの多様化。そしてグローバル化も!
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知っているともっと楽しめる!寿司の文化と特徴
回転寿司は高級化しつつある
回転寿司は、当初はリーズナブルな価格で寿司が食べられるのが売りでしたが、近年、高級化しています。
◆高級化が進む背景は?
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消費者の嗜好の変化
日本国内では、健康志向やグルメ志向の高まりから、安さだけでなく「質」を求める人が増えています。回転寿司もそのニーズに応え、品質向上を図ることで顧客層を広げています。特に、若い世代や観光客が「少し贅沢な食事を手軽に楽しみたい」と考える傾向が強まっています。 -
競争の激化
スシロー、くら寿司、はま寿司といった大手チェーンがしのぎを削る中、他社との差別化が求められています。高級路線は、単なる価格競争から脱却し、独自性を打ち出す戦略の一つです。 -
インバウンド需要
訪日外国人観光客の増加(コロナ前の状況を基準に)も高級化を後押ししました。日本の回転寿司は海外で「安くて美味しい日本食」として知られており、観光客向けにプレミアムな体験を提供することで、さらなる需要を取り込む動きがあります。
実際には、どのように変わってきたのでしょうか。
- プレミアムメニューの導入
従来の回転寿司は一皿100円前後の手頃な価格が特徴でしたが、最近では高級食材を使ったメニューが増えています。例えば、本マグロの大トロ、ウニ、イクラ、ズワイガニといった高価なネタや、産地直送の新鮮な魚介類を使った寿司が提供される店舗が目立ちます。これらのプレミアムメニューは一皿300円~2,000円以上する場合もあり、従来の回転寿司のイメージとは大きく異なります。 - 店舗の雰囲気やサービスの向上
一部の回転寿司チェーンは、店内のデザインや雰囲気を高級感のあるものに変えています。たとえば、落ち着いた照明、木目調の内装、個室の導入など、従来のファミリー向けの明るくカジュアルな雰囲気から一歩進んだ体験を提供する店舗が増えています。また、タッチパネルでの注文や、注文した寿司が専用レーンで直接届くシステムなど、利便性と特別感を両立させる工夫も見られます。 -
職人技の導入
高級回転寿司では、寿司を握る職人が常駐し、注文ごとにその場で握るスタイルを取り入れる店舗も出てきました。これにより、新鮮さや技術をアピールし、回転寿司でありながら「江戸前寿司」に近い品質を目指しています。例えば、「寿司大将」や「回転寿司みさき」のような店舗では、職人が握る様子を見ながら食事ができることが売りになっています。 -
地域限定や季節限定メニュー
高級化の一環として、特定の地域でしか味わえないネタや、季節ごとの旬の食材を使った限定メニューを提供する回転寿司店も増えています。これにより、訪れるたびに新しい味を楽しめる付加価値が生まれています。
◆実際には回転寿司では、どんなものが食べられる?
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くら寿司の高級ライン
くら寿司では「極上大トロ」や「厳選うに」といった高価格帯の商品を展開。また、一部店舗では「KURA ROYAL」という高級感を打ち出したコンセプトを導入し、従来の回転寿司とは異なる体験を提供しています。 -
スシローの「大切り」や「特盛」
スシローも「大切りネタ」や「特盛シリーズ」など、ボリュームと品質を両立させたメニューで高級感を演出。一皿150円~500円程度の商品が増えています。 -
地域密着型の高級回転寿司
例えば、北海道や九州の回転寿司店では、地元の新鮮な海産物を使ったメニューが人気で、価格帯も高めに設定されていることが多いです。これらは地元民だけでなく、観光客にも支持されています。
◆課題と今後の展望は?
さらに広がりをみせる現代の寿司
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