「息子にとって夫は、害でしかない!」教育方針の違いで離婚する場合。妻が「親権」を獲得するには?

夫が子どもの学歴にこだわる理由

筆者が「なぜ旦那さんは息子さんの学歴をそんなに気にしているのでしょうか?」と質問すると、絵里奈さんは「あの人は一応、エリート気取りだからです」と回答します。夫は国公立の大学を卒業、省庁へ入庁した人物。しかし、国家公務員としての仕事は深夜におよぶ残業の日々でした。

 

夫の心身は3年目に悲鳴をあげ、適応障害と診断され、休職したのですが、そのまま復帰できずに退職したのです。しかし、夫の両親は「せっかく、いい大学に入れてあげたのに!」と激怒。夫は実家に帰ることが許されず、病気を抱えたまま、一人暮らしを続けざるを得なかったそうです。それから2年間。金銭的に厳しいので自立支援医療を利用しながら服薬を続け、ようやく社会復帰。

 

現在は派遣社員として中小企業の経理部で働いています。絵里奈さんは夫の職歴に3年間のブランクをあることを承知の上で結婚したようです。「あのときは私が支えてあげないと!と思っていました…でも」と言葉を濁します。当初は母性本能をくすぐる相手だったようですが、現在は「こんなに難しい人だったなんて」と後悔の念を口にします。

 

 

夫の一存で息子は全寮制の小学校へ…

そんななか夫が突然、「飛朗斗を転校させるから」と言い出したのです。転校先は甲信越地方なので自宅から通うのは無理。この小学校は全寮制なので、息子さんは両親と完全に離れ、自宅とは別の場所で暮らすので、今までの生活を一変しますが、それだけではありません。先生や同級生と共同で暮らすのですが、部屋は二人用でテレビもなし。食事、風呂、就寝など一切の生活を誰かと一緒に行動するので、いつも気が抜けない日々へ様変わりするのです。

 

夫は「今までの生活がどれだけ恵まれていたか…身をもって思い知るがいい!」と声高に言うのですが、絵里奈さんは「いくらなんでも極端じゃないの…少しずつ慣れさせてからでも。気難しい子には環境の変化は良くないって聞くし」と乗り気ではありませんでした。

 

絵里奈さんが「飛朗斗の意見は聞いたの?」と尋ねると、夫は「聞くわけがないじゃないか。聞いたら反対するに決まっている!俺はあいつのためを思って、いろいろ準備してきたんだ」と頑なに言うので、絵里奈さんは従うしかありませんでした。絵里奈さんは「夫の言う通り、飛朗斗がちゃんと心を入れ替えてくれればいいんだけれど」と心配でたまらなかったそうです。

 

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