「元カレ」との関係を断ち切れない既婚女性が抱える欲【不倫の精算 8】
「結婚相手には無理」だった元カレ
Hさんと「彼氏」は、Hさんが結婚する前に付き合っていた過去がある。
彼は、いわゆる「非モテ系」の自分に自信がないタイプ。交際経験も女性経験もほとんどなく、Hさんが初めてまともに付き合う女性だったが、そんな「手垢のついていない」ところがHさんは好きだったという。
「自分の好きなように育てていけると思ったの」
と以前話してくれたが、結末はそうならなかった。
女性の扱いに慣れていないのは構わなかったが、問題は彼が素直に気持ちを伝えてくれないこと。付き合っている間、「好きだ」と言われたことはなく、Hさんから連絡しなければデートの誘いもない。会えばキスもしてベッドも共にするが、恋心を共有するような熱い時間はなかった。
それに加えて、当時の彼は派遣社員で収入が低く、貯金もないことがHさんの愛情にブレーキをかけた。
「好きだったけど、結婚はねぇ、ちょっと無理かなって。親に紹介しても絶対反対されると思ったし」
30才までに結婚したかったHさんは、結局彼と別れることを選んだ。次に出会ったのが今の夫であり、収入も性格も問題なかったのでそのままストレートに結婚した。
「元カレ」となった彼とはそれ以降会うことはなかったが、結婚して一年後、Hさんのほうから連絡することになる。
「会いたくなっちゃって。嫌いで別れたわけじゃなかったから……」
当時のことを話すとき、Hさんはわずかにうろたえる。
彼女が連絡したとき、彼のほうはまだ独身で付き合っている女性もいなかった。それもHさんの想像通りであり、誘えば断られないだろう、という確信があった。
でもそれは、明らかな夫への裏切り。自分から別れを切り出した相手に、結婚してからまた関係を持ちかけることのずるさや後ろめたさ、そして夫へ抱く罪悪感は、今でもHさんの中にしこりとして残っている。
それでも、彼が欲しいという気持ちは治まらなかった。
案の定、「元カレ」となった彼はHさんと会うことを拒まなかった。最初はもちろん既婚者となったHさんへの遠慮は見せたが、結局ホテルへ行くのは時間の問題で、それもHさんから誘った。
それ以来ずっと不倫の関係が続いている。彼は今でも独身で、仕事も派遣社員のまま。彼女を作ることもせず、Hさんは唯一つながりのある女性だ。
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