「同居人のままなんて嫌だ」夫が7年目に選んだ“やり直す覚悟”。妻との再出発は叶うのか?

2025.05.31 LOVE

妻にも言い分がある なぜ奥さまからも誘わないのか

一方で、「夫が誘ってくれないから、今さら自分からも言えない」と感じている奥さまも少なくありません。特に日本の文化的背景として、「女性から性的なアプローチをするのは恥ずかしい」「そういう積極性を出すなんてはしたない」という風潮が、無意識のうちに根付いている場合があります。

 

さらに、長年レス状態が続くと、奥さまの方も「今さらどう誘えばいいのか分からない」「夫がどう思っているのか怖い」という心理的な壁が高くなってしまいます。実は夫婦どちらも、「相手が嫌がったらどうしよう」「冷たくあしらわれたらショックだ」という不安を抱えているのに、本音を言い出せずにすれ違ってしまう。これがレス夫婦の典型的なジレンマなのです。

 

「もう同居人のままなんて嫌だ」7年間の沈黙を破る、夫の決意

長年、心の中でだけ悩み続けてきた村田さんですが、ある日、妻がふと口にしたひと言が転機になりました。

「来年で、結婚11年目だね」

それを聞いたとき、村田さんはハッとしました。

 

「何もしなかったら、いつか本当に心まで冷え切ってしまう。そう思ったんです。

正直、今さらって気持ちもあります。下手に話し合おうと言って嫌がられたらどうしようとか、怖さもあります。でも、一生このまま“同居人”のままなんて嫌ですから」

7年間、誰にも言えなかった本音を伝えるのは、勇気が要ること。それでも村田さんは、もう一度“夫婦”として向き合う覚悟を決めました。

 

まず考えているのは、夫婦ふたりだけの時間をつくること。子どもを預けて、外でゆっくり食事でもしながら、改めて、お互いの本音を少しずつ打ち明けてみようと考えています。

「いきなり核心に触れるのはお互い照れくさいかもしれないけど、遠回りせず正直に伝えるしかないですから」

 

と自らに言い聞かせるように語る村田さん。日常面でも、妻の負担を減らすために一層協力し、感謝やスキンシップもこれまで以上に意識して増やしていきたいといいます。「小さなことからでも少しずつ関係を修復していければ」そんな思いを胸に、彼は一歩を踏み出そうとしていました。

 

“同居人”からもう一度“夫婦”に戻るために。レス解消の5つのステップ

レスを解消するには、時間も労力も必要です。でも何より大切なのは、「もう一度向き合いたい」というお互いの思いやりと、ほんの少しの勇気。ここでは、一般的に効果的だとされている5つのステップをご紹介します。

 

1:オープンな話し合いをする
最初に超えるべき壁は、「会話」です。レスはデリケートなテーマですが、黙っているだけでは何も変わりません。「あなたが悪い」ではなく、「私はこう思ってる」「こんなふうに変えていきたい」と、自分の気持ちを伝えることがスタートラインになります。

2:スキンシップを少しずつ増やす
行為そのものに至らなくても、普段から手をつないだり、ハグをしたり、ちょっとしたボディタッチを心がけてみましょう。いきなりセックスをするのではなく、まずは身体に触れることへの抵抗感を薄めるステップが必要です。

3:夫婦だけの時間を意識的に作る
子ども中心の生活になると、夫婦の時間はどんどん後回しになりがちです。月に1回でもいいので、子どもを預けて外食をしたり、たまには2人きりでゆっくり過ごす日をつくるようにすると、“親”ではなく、“男女”としての関係を思い出すきっかけになります。

4:第三者=専門家に相談する
話し合いがうまくいかないときや、精神的な行き違いがこじれてしまっているときは、夫婦カウンセリングや医療機関の助けを借りるのも有効です。特に産後の女性の心身の変化やホルモンバランスの問題は、専門的な視点でアドバイスを受けることが効果的な場合があります。「夫婦ふたりだけで解決しなきゃ」と抱え込まず、外の力を借りてみるのもひとつの道です。

5:健康面・生活習慣の見直し
慢性的な疲労や体調不良、睡眠不足が続くと、性欲以前に“元気そのもの”が失われてしまいます。適度な運動や栄養のある食事、十分な睡眠など、生活全体の土台を整えることも、レス改善には欠かせません。

 

どれも、いきなりすべてを変えようとする必要はありません。ひとつずつ、小さな変化から。“同居人”のようになってしまった関係でも、丁寧に向き合えば、夫婦の絆は必ず再びつながるはずです。

 

「同居人」から「夫婦」へ戻るために必要な覚悟

村田さんが「もう一度、夫婦として向き合いたい」と決意したように、レス状態を抜け出すには、まず「現状を変えたい」という強い思いが必要です。けれど、その思いを実際の行動に移すには、“覚悟”がいります。なぜなら、長いあいだスキンシップも会話も少なかった夫婦が、いきなり本音をぶつけ合おうとすれば、感情的な衝突が起こる可能性もあるからです。

 

妻から「今さら何を言ってるの?」と拒否されたり、「もっと早く言ってほしかった」と責められることも、ないとは言い切れません。逆に、夫の側が思い切って本音を出したことで、深く傷つくこともあるでしょう。

 

リスクは、たしかに存在します。それでも、このまま“同居人のような関係”で老いていくことに、本当に納得できますか?

 

もし、まだお互いを「完全に嫌いになったわけじゃない」と思えているなら、今こそが、最後のチャンスかもしれません。

問題を先送りにすればするほど、すれ違いは深くなり、溝は簡単には埋められなくなっていく。子どもが大きくなった頃には、「もう今さら無理だね」と、お互いが口にする日が来るかもしれないのです。

 

だからこそ、“話す覚悟”が必要なのです。村田さんのように、まずは小さなステップから。
ひと言、伝えてみること。手を伸ばしてみること。それだけでも、“ただの同居人”だった日々は、少しずつ変わっていくかもしれません。

 

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