育休で資格取得した32歳夫。妻からのレス宣告、未読スルー、社内報での告白…それでも夫婦はやり直せた?

2025.06.13 LOVE

「バズった社内報」“告白”が社内をざわつかせた

育休が明けてすぐ、タカシさんは社内報への寄稿を依頼されます。彼はこれまで続けてきた“ポジティブな演出”を捨て、あえて自分の失敗と後悔を赤裸々に綴ることを決めました。

タイトルは〈育休を仕事にしてしまった僕が失ったもの〉。冒頭には、〈合格通知よりも、未読スルーされたことの方が胸に刺さった〉という一文を添え、ワンオペ育児を妻に強いたことへの罪悪感を正直に語りました。

 

原稿は週明け、社内ポータルに掲載されると瞬く間に閲覧数を伸ばし、大きな反響を呼びました。

若手社員からは「自分も“育休中は何か成果を出さなきゃ”と焦っていた」「勇気をもらった」といったコメントが相次ぎ、管理職層からは「知らず知らずのうちに、部下に無邪気な期待を押しつけていた」と反省の声が続出。さらには人事部が「男性育休のあり方を見直す必要がある」として、臨時のワークショップを立ち上げるまでに発展したのです。

 

再構築の鍵は「聞く」ことだった

社内報が公開された翌日、タカシさんのスマートフォンに上司から直接メッセージが届きました。

「おまえの記事、刺さったよ。俺もな……部下を煽って“いい上司”だと勘違いしてたかもしれん」

そんな低く漏れたため息を聞いたのは、初めてだったそうです。その声を耳にした瞬間、タカシさんは少しだけ肩の力が抜けるのを感じたといいます。その翌週には急遽ランチミーティングが開かれ、上司はこう言いました。

「昇進は合格点だけじゃ決めない。これからは“家庭との両立”も含めて評価していく」

 

会社としても、「数字で測れない“家族の幸せ”も、今後は業績と同じくらい重く見る」と明言。これまでの“キャリア加点主義”の空気に、確かな変化が生まれたのです。それは、成果を競い合う関係から、“失敗を共有する仲間”への第一歩でした。

 

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