
育休で資格取得した32歳夫。妻からのレス宣告、未読スルー、社内報での告白…それでも夫婦はやり直せた?
SNSの“いいね”では埋められなかった妻の孤独。そして、すれ違いが静かに積み重なった末に訪れた「レス宣告」。
前編「SNSではイクメンぶるけど、実際は自分のことばかり。『育休中に資格取得』して妻から見放された男の末路は」では、育休中の“自己研鑽”が、タカシさんと妻の距離をかえって広げていった様子をお届けしました。本編は【後編】です。
沈黙の日々と “既読がつかない合格通知”
レス宣言以降、夫婦のコミュニケーションは最低限の“育児連絡アプリ”と、冷蔵庫に貼られたホワイトボードのメモだけになりました。
「娘の体温36.6°C」「離乳食の食いつき△」など、業務連絡のようなやり取りはあっても、雑談や感情の共有はほとんどありません。リビングで顔を合わせても「暑いね」とさえ言わない日々が続きました。
そんな中、タカシさんは国家資格の試験に無事合格。学習スケジュール通りに結果が出た喜びを抑えきれず、彼は“祝・試験合格”のカラフルなGIF画像を妻に送ります。
けれど、1分、5分、1時間が過ぎても既読はつかず……。かつてなら数時間後に「おめでとう」くらいは返ってきたはずですが、その日は終日、無反応のままでした。
そのときようやく、問題の本質が“試験”でも“合格”でもなかったことに気づいたのです。勉強への努力はたしかに立派なものでしたが、妻がその過程で何を感じていたのか、想像すらしてこなかった……。
「既読がつかなかったあの日、いちばん悔しかったのは、“祝ってもらえない関係を作ってしまった自分”でした」
そう語るタカシさんの言葉に、ようやく始まった自己認識の芽生えがにじんでいました。
「育休とは何か」問い直される時間
「タカシさんにとって、育休とはなんですか?」
取材の終盤、私は彼に直接そう尋ねました。タカシさんは一瞬戸惑ったような顔を見せましたが、やがて、いつもの調子で慎重に言葉を選びはじめます。
「家族を守り、スキルアップする時間……正直に言えば、そう思っていました。資格を取れば収入が上がるし、会社でも評価される。娘の将来の学費のことも考えて……」
けれど、それはすべて“未来”の話です。子育ての“いま”という視点は、そこにあったのでしょうか?
「……“いま”、か。いや、自分の未来を最優先することが、結果的に家族を守ることだと思っていた。だから、その視点は当時、まったく持っていませんでした。育休の意味を、根本から履き違えていたと思います」
育休中、タカシさんの頭にあったのは、将来への不安をどう解消するかということ。営業職として「先手を打つ」ことに慣れていた彼にとって、それは自然な思考回路だったのでしょう。
でも、妻にとって大切だったのは「いま辛い」「いま助けてほしい」「いま一緒にいてほしい」という瞬間です。その“いま”に手を差し伸べてくれる人こそが、本当に頼れるパートナー……。育休とは、その気持ちにどれだけ応えられるかが問われる制度なのかもしれません。
「“いま”って言葉の意味を、ちゃんと考えたことがなかった」
そう言いながら、タカシさんはわずかに口角を下げました。自分なりの理想や未来設計ばかりを追いかけ、隣にいるパートナーの感情に寄り添うことを、どこかで後回しにしてしまっていた。その事実に、ようやく気づいたようでした。
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