「俺はいつも本気」女遊びをやめない夫(44歳)と離婚。たった2年で養育費ストップ。「給料の差し押さえなんてまだ甘い!」サレ妻の覚悟とは?
養育費をもらいそびれないための2つのポイント
そして後日、由羅さんが用意した離婚届を渡すと、あっさりと署名。由羅さんが筆者の事務所へ相談しに来たのは離婚の準備が整ったタイミングでした。
もちろん、「タダ」で離婚するわけにはいきません。夫に請求するお金でもっとも大きいのは養育費です。子どもはまだ6歳。20歳に達するまで14年も残っています。夫婦で話し合った結果、養育費は毎月4万円で決まりました。
筆者は夫の素直すぎる態度に違和感を覚えました。「何かを企んでいるのではないか」と。そこで約束した養育費を欠かさず受け取るために3つの方法を提案しました。
まず1つ目は口座振替です。夫がメインバンクで口座振替の手続をすれば、毎月、給料日に夫の口座から妻の口座へ自動的に養育費が振り込まれます。これで夫が振り込むのを忘れて養育費の受取が止まるのを防ぐことができます。
次に2つ目は連帯保証人です。夫が第三者を連帯保証人に立てれば、夫だけでなく連帯保証人に養育費を請求できるし、それでも払わない場合、連帯保証人の財産を差し押さえることもできます。
そして3つ目は公正証書です。公正証書とは全国各地にある公正役場で公証人が書き起こした証書のことで、夫婦二人が公正役場に出向き、公証人の面前で署名するのが原則です。
養育費の約束を公正証書化し、「強制執行に服することを承諾した」という一文を入れた場合、夫の給料を強制執行(差押)することが可能です。具体的には勤務先の会社が夫に給料を支払う前に、会社が直接、妻の口座に養育費を振り込みます。残った分は夫の口座に振り込まれますが、いわゆる給料天引きが可能で、しかも一度、手続を踏めば、最終回(例えば、子どもが成人するまで)自動的に天引きされます(民事執行法151条)
冒頭の統計によると養育費の取り決めをしたのは全体の46%、約束を書面化したのは35%、強制執行が可能な書面に残したのは28%です。
このことを踏まえた上で由羅さんは「養育費として毎月4万円を支払うこと」「口座振替の手続を行うこと」「夫の母親を連帯保証人にすること」を公正証書に残して欲しいと頼んだのです。夫は何も抵抗することなく、「好きにすればいいだろ。俺には人権なんかないからな!」と投げやりな感じで、母親に保証人の件を頼み、公正証書にも署名したのです。何もかもが上手くいきすぎで、少々怖いくらいでした。
当時、由羅さんは「夫は夫で早く離婚したいんでしょ?!だから、私の言いなりに動いたんだわ」と軽く考えていました。ここまで入念に対策を講じておきながら、それでも夫が養育費を踏み倒すなんて露とも思っていなかったのです。
▶関連記事『「義母を保証人にしておいてよかった!!」養育費から逃げ回る元夫。美容師の妻(40歳)が「振込復活」にみせた執念とは』では、由羅さんご夫婦の離婚、養育費はどうなったかについて、詳しくお話をお伺いします。
<出典>
令和3年度全国ひとり親世帯等調査
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/f1dc19f2-79dc-49bf-a774-21607026a21d/9ff012a5/20230725_councils_shingikai_hinkon_hitorioya_6TseCaln_05.pdf
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