【時間制限食ダイエット】は本当にやせるの?「試す価値はある」一方で、死亡リスクが91%も高まってしまう人とは? 【医師に聞くダイエットの「真実」】
「時間制限食」によって「死亡リスク」が91%も高まってしまう人とは?
ただし気になるニュースもあります。
米国心臓協会の「疫学と予防・生活習慣と心臓代謝に関する科学セッション2024」で発表された予備研究では、1日の食事時間を8時間未満に制限する時間制限食は、12~16時間かけて食事をする人に比べて、心血管疾患による死亡リスクが91%も高いことがわかったというのです。
そこでは2003〜18年にわたる2万人以上のアメリカ人成人の食事パターンと、2003〜19年12月までの死亡データが比較されました。
時間制限食が短期的な利益をもたらす可能性がある一方で、長期的には悪影響がある可能性が指摘されたのです。特に、心臓病やがんの患者は8時間の食事時間と心血管死亡リスクの増加との関連性に注意する必要があるようです。
この研究には、自己申告による食事記録や食事時間以外の健康に影響を与える要因が考慮されていないなどの問題がありますし、精査されていない学会報告である点も考慮しなくてはなりません。
食事記録不要の「時間制限食」は魅力的ですが、自分とって安全か、そして適切な方法かどうかは、まずはかかりつけ医に相談してみましょう。
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■BOOK:『』和田秀樹、岡本 卓・著
■著者
和田秀樹(わだ・ひでき)
1960年、大阪府生まれ。精神科医。東京大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長、川崎幸病院精神科顧問、一橋大学経済学部非常勤講師、立命館大学生命科学部特任教授。主な著書に、『70歳が老化の分かれ道』(詩想社)、『80歳の壁』(幻冬舎)、『どうせ死ぬんだから』(SB クリエイティブ)、『長生きはメンタルが9割』(徳間書店)、『70歳を過ぎたら飲んではいけない薬とサプリ』(かや書房)、『医者にヨボヨボにされない47の心得』(講談社)など多数。
岡本 卓(おかもと・たかし)
1960年、京都生まれ。医師、医学博士。東京大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院第3内科、自治医科大学附属病院などを経て、92年より博士研究員としてハーバード大学医学部へ。95年に同大医学部講師、97年クリーブランドクリニック財団ラーナー研究所助教授就任。98年オハイオ州立大学助教授兼任。99年理化学研究所脳科学研究センター、チームリーダー就任。2001年K&Iオホーツク海病院勤務の後、09年に北海道北見市で、愛し野内科クリニックを開業。主な著書に、『薬が減らせて、血糖値にもしばられない 糖尿病最新療法2』『アルツハイマー病とは何か』(以上KADOKAWA)、『腎機能がよくなる方法を1冊にまとめてみた』(マキノ出版)。
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