「子どもが悲しそうに言ったんです…」ようやく気づいた、“これはモラハラだった”という現実

2025.08.16 LIFE

出産を機に、妻の態度が一変した……。

義母と二人三脚で家を仕切る妻は、Tさんを見下し、責め、コントロールするようになっていきました。

「自分さえ我慢すれば」と思い込み、家庭を守ろうと耐えていたTさん。しかし、子どもの何気ないひと言が、その“異常な日常”に気づくきっかけとなったのです。

<<本記事の前編:「子どもが生まれた瞬間、妻が別人に」義母とタッグを組んだ妻が僕を支配し始めた日々

※本人が特定されないように設定を変えてあります
※写真はイメージです

「自分がモラハラ被害者だと気づくまで」

ある日、Tさんは久しぶりに、学生時代の友人と低山登山の約束をしました。学生時代は登山部に所属し、山を歩くのが大好きだったTさん。しかし、結婚してからというもの、山に行くことは一度もなく、今回は数年ぶりの計画に胸を躍らせていました。

けれどその話を妻にした途端、空気が一変しました。

「子どもが小さいのに、そんな余裕あるんだ?」

「自分だけ遊ぶ気なのね?」

「もし怪我でもしたらどうするの?仕事も家庭も回らなくなるよ!」

 

ヒステリックにまくし立てる妻の姿に、Tさんは怯えてしまい、登山の予定を取りやめることにしました。「家庭が一番大事だから……」と、自分に言い聞かせて納得しようとしたのです。

 

でも、どこか心がついていきませんでした。通勤には片道3時間半かかるのに、誰にも労われることはない。家では義母が我が物顔でふるまい、自分の居場所はどんどん小さくなっていく。帰宅すれば、妻には文句ばかり言われる。

「こんな生活のどこに幸せがあるんだろう?」

「自分は一体、何のためにここまで我慢しているんだろう?」

そう思うようになっていました。それでも、「家族のため、自分さえ我慢すればいい」と、自分を納得させようとしていたのです。

 

これは、モラハラ被害者が陥りやすい心理状態です。

繰り返される否定と責めの中で、いつの間にか「自分が我慢すれば丸く収まる」と思い込むようになります。それは「相手を思いやって」ではなく、「これ以上責められたくないから」「自分を守るために納得しようとする」という、歪んだ防衛です。

 

Tさんも、妻の態度に違和感を覚えることはありました。でも、「そんなことを言ったら、きっと大きな喧嘩になる」「義母まで加勢して責めてくる」と思うと、口をつぐむしかなかったのです。

「それはおかしい」と思っても、言えない。自分の気持ちを押し殺すことが、“家庭の平和を保つ手段”になっていきました。

 

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