
ダメンズを掴み続けてこのまま老いていく女【#婚外恋愛7】
まともに恋愛ができない弱さ
G子は小さな会社で派遣社員として働いている。
夫婦でコンサルタント業を営む実家はお金があり、ひとり娘のG子が身を寄せていても特に自立を促されることもなく過ごせていた。
G子は20代から10年ほどひとり暮らしをしていたが、恋愛絡みのいざこざを繰り返し、精神的に参ってまともに生活ができなくなり実家に戻っていた。
「もぉ、男運が悪くって……」
その話を初めて聞いたとき、G子は目を合わせないようにしながらひたすらいかに自分がダメンズに好かれるかを延々と述べた。
働かずに金の無心ばかりしてくる男、会えば体しか求めてこない男、実は既婚者だった男。短いサイクルで次々と襲ってくる激情の波を聞いていると、確かにまともな心ではいられないのかも、と感じる。
「でも、ちゃんと愛していたんだよ?」G子は最後に強い口調で言った。それが一番の違和感を残した。
どんな目に遭っても、「風俗なら日払いだから」とまで言われても、G子はその男たちを「愛していた」と言う。まるでそれが免罪符になるかのように。
上手くいかなかったのは、私のせい。きちんと愛してあげられたら、きっと幸せになれていたはず。
精神を病み、親の勧めで心療内科に通っていても、どこかでG子は失敗した恋愛の責めを勝手に背負い込んでいた。周りの誰もが「男を見る目がなかっただけだよ」と口にしたが、その言葉に納得して頷くことは決してなかった。
そして、実家で療養しながら元気を取り戻したG子は、ふたたび男を求めるようになる。
バーをはしごして酔いつぶれながら、そこで出会った素性も知らない男性とホテルに行ったこともある。格の低いホストクラブのようなお店に通いつめ、スタッフのひとりに「喜んで欲しいから」とバケツの底に札束を隠した花を用意したこともあった。
奔放なのではない。まともに恋愛ができない脆さだ。
男を見る目がないのではなく、恋愛が上手くいかないのはそもそも自分を愛していないからなのだ。
だから、ひどい扱いを受けても当然と思い込んでしまう。「こんな目に遭うのは私のせい」とすり込まれた自意識で、相手に気に入られるためだけに尽くしてしまうのだった。
だが、以前と違うのはG子自身が痛みから目をそらすだけの明るさを手に入れたことだ。
ふさぎ込むより発散することを覚えたG子は、何かあったら周りの友人たちに愚痴のような軽い感じで顛末を話していた。抱え込むより捨ててしまうことで、G子は痛みから逃げ出すことを覚えたのだった。
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