「パパ、いいにおい!」娘の一言がすべてを変えた。“スメハラ夫”が見つけた「やりなおしの処方箋」とは
ハルミチさんの生活習慣と、においへの“意識のギャップ”
取材を通じて浮かび上がってきたのは、ハルミチさん自身の生活習慣に対する無頓着さでした。長時間労働の末、疲れ切って帰宅すると、シャワーをさっと浴びてそのまま寝てしまう日が多かったといいます。奥さまからの“におい”に関する指摘について尋ねると、ハルミチさんはこう語りました。
「言われたときは、正直かなり傷つきました。でも……言い訳なんですけど、仕事が忙しすぎて、自分のことに気を配る余裕がなかったんです。たまの休日くらいはのんびりしたいし、 “家族なんだから少しくらい許してくれるだろう”って、どこかで甘えていたんだと思います」
この発言には、結婚後に自分磨きを緩める男性の典型的な心理が見て取れます。「結婚して家庭に入れば、ある程度のだらしなさは許される」と考えてしまう、結婚後の男性にありがちな意識の緩みがうかがえます。一方で妻は、夫のにおいに日常的に晒される中で、その不快感を何度も伝えますが、夫が受け止めなければ不満が蓄積していきます。
“かつての自分”との落差
実は若い頃のハルミチさんは、香水や整髪料にこだわるタイプでした。デートの前には必ずシャワーを浴び、清潔感のある服装や香りにも気を遣っていたといいます。奥さまと付き合い始めた頃は、毎週末のデートが楽しみで、身だしなみに細やかな配慮をしていたそうです。
それが変化したのは、結婚後、そして娘が生まれてから。夜泣きやおむつ替えに追われ、自分のことは“後回し”になっていったといいます。
「当時は寝不足でフラフラでした。家族を優先するのが当然だと思ってたんですが、気づけば、自分のケアを完全におろそかにしていました。昔は妻のために香水を選んでいたのに、今は汗臭いまま寝室に入ってしまう自分がいる。そういう変化に、気づけなかったんです」
「自分はそんなに変わっていない」という主観と「妻から見た現実」のギャップが、夫婦のすれ違いを深めてしまったのです。
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