岩井志麻子 40代以降の「晩婚でよいこと、そうでないこと」

2018.07.24 LOVE

私は最初の結婚が23歳、再婚が41歳のときだった。

つまり、早婚と晩婚を経験していることになる。

うーん、だからといってそれぞれのメリットとデメリットを、普遍的に絶対的に相対的にきちんと語れるものではない。

だってやっぱり、人それぞれ。

 

若さゆえ、歳を重ねたゆえ

若さゆえの柔軟性や従順さで、他人との共同生活にすんなり溶け込めるってのも確かだし。

ある程度の年齢を経て、経済的にも精神的にも余裕があるからこそ相手を尊重し歩み寄れるというのも事実だし。

 

逆に、若さの勢いで突っ走ってしまい、という失敗と後悔もある。

歳を重ねていくとどうしても自分ルールが強固になってきて、他人に合わせられないという問題も出てくる。

 

晩婚化するのは当然のこと

昔は早婚だったのは、寿命が短く人生のスパンが短期間だったし、男は家事をしてくれる女が必要不可欠、女は食べさせてくれる男が絶対必要だったからで。

なんといっても、労働力であり跡取りである子どもをたくさん産まなきゃならなかったからね。

今は、家事は外注できるし、女も一人で仕事して食べていけるし。

子どもを持つ持たないは、本人の意志にゆだねられるし。そりゃ晩婚化するのは当然。

 

晩婚もいいもんだよ

私の場合、早婚の初婚は離婚という結果になったというのもあるし、自分が五十路になったというのもあるけど、晩婚もいいもんだよとお勧めしてしまう。

この歳になると、周りの同世代の女達が離婚ではなく死別、バツイチではなくボツイチとなっている場合が少なくない。

独りを楽しむ女達もいるけれど、この歳になって恋愛や再婚、あるいはついに初婚、なんてことをする友達もけっこういる。

 

早婚の場合は、夫婦そろって未来を見る。時間も無限にある気がしている。

だけど晩婚となると、時間ももう限られてくる。リミットが遠くないのも、わかってる。だから、時間を大事にしたい。

すなわち、その時間をともにする相手も大切にしたい。

 

限りある現在を大事に

高須クリニック院長とラブラブな親友の漫画家、西原理恵子ちゃんもわかっていながら、ついケンカを吹っかけてしまう。

すると院長に悲しげに、でもにこやかに諭されるって。

「ぼくはもうそんな長く生きられないよ。時間がもったいない。怒ってないで笑って」

 

限りない未来を夢見る早婚より、限りある現在を大事にする晩婚、こんなに滋味がある。

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この記事は
作家 岩井志麻子

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