「誰かのぬくもりを求めていいですか?」アラフォー恋愛事情・40歳夏海の場合3

2016.11.15 LOVE

「どうしたの、おとなしいね」

ヒカリくんが気にしてくれている。

つまらないのかと心配してくれているのかもしれない。

 

言葉でなんて、とても言えない。

でも彼の手に自分から触れにいくのも、セクハラみたいだ。

もじもじと、自分の両手をこすり合わせると、彼は不思議そうな顔をした。

 

「手が寒いの?」

「ううん」

「じゃあ、どうしたの?」

 

ヒカリくんの手のひらは私の手を、さりげなく捕まえた。

そして、優しく握られる。

「あったかいね、お姉さんの手」

「ヒカリくんのこそ」

 

恥ずかしくて彼の顔を、まともに見られない。

「お姉さん、嬉しそうな顔してる」

「えっ、ほんとに?」

「うん、急に顔がにやけた」

よく見てるな、と感心した。

 

「そりゃ、あなたみたいに若い男の子と手をつなげたら、嬉しいでしょ」

「そうなんだ? もしかしたら、さっきからずっと手をつなぎたいって思ってた?」

「……」

「やっぱりそうなんだ。ちらちら手ばかり見てくるから、ひょっとしてって思って」

 

恥ずかしくてならなかった。

私は私が恥ずかしかった。

ただ手をつないでもらいたくて私はここにいる。

 

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