「誰かのぬくもりを求めていいですか?」アラフォー恋愛事情・40歳夏海の場合3
「どうしたの、おとなしいね」
ヒカリくんが気にしてくれている。
つまらないのかと心配してくれているのかもしれない。
言葉でなんて、とても言えない。
でも彼の手に自分から触れにいくのも、セクハラみたいだ。
もじもじと、自分の両手をこすり合わせると、彼は不思議そうな顔をした。
「手が寒いの?」
「ううん」
「じゃあ、どうしたの?」
ヒカリくんの手のひらは私の手を、さりげなく捕まえた。
そして、優しく握られる。
「あったかいね、お姉さんの手」
「ヒカリくんのこそ」
恥ずかしくて彼の顔を、まともに見られない。
「お姉さん、嬉しそうな顔してる」
「えっ、ほんとに?」
「うん、急に顔がにやけた」
よく見てるな、と感心した。
「そりゃ、あなたみたいに若い男の子と手をつなげたら、嬉しいでしょ」
「そうなんだ? もしかしたら、さっきからずっと手をつなぎたいって思ってた?」
「……」
「やっぱりそうなんだ。ちらちら手ばかり見てくるから、ひょっとしてって思って」
恥ずかしくてならなかった。
私は私が恥ずかしかった。
ただ手をつないでもらいたくて私はここにいる。
この記事は
作家&エッセイスト
内藤みか
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