
知っておきたい。がんを告知されて「絶対やってはならないこと」【大穂その井#3】
52歳で突如としてがんが見つかり、同時に親の介護も担うこととなった大穂その井さん。ご自身の体験を話してくれました。好評の内容を再配信中。
*このシリーズの全話リスト【その2】自分だけで解決しようとするな (エリート街道を行け)
がんを「自分だけで解決する」とは何ぞや?ですが、「主治医に任せっぱなしにせず、自分にできる治療があったらやろう」ってことです。
皆さんにはお分かりいただけると思いますが、仕事をしていると「もっと工夫できることはないか」「もっと自分にできることはないか」って思いますでしょ?がん治療においてこれはNGなんです。
私は大失敗しました。
ネット検索で上位にヒットした「がんが消滅する免疫点滴」と「断食療法」を選んでしまったんです。これ、乳がんの主治医には内緒にしました。だって、先生の治療を信頼してないって思われて、気分を害されたら嫌だし。
結果、どうなったかというと、
- 2か月で体重が12キロ減。やせ細ってチカラが出なくなった。
- 頭がぼーっとして言葉が出なくなった。
抗がん剤の影響ではなく、栄養失調になったんです。このせいで病院の治療に耐える体力がなくなり、ドクターストップがかかりました。すぐに再発した原因も、この時、治療ができなくなったからかもしれない、そう思い後悔しています。
“標準”治療こそスーパーエリート
ここ、大切なことです。
手術、薬物療法、放射線療法を、がんの3大療法と呼びます。標準治療とは、科学的根拠があり、現在利用できる最良の治療であることが示され、一般的に推奨される治療です。
「標準」ってスタンダードじゃん、って思いますよね? もっとスペシャルな、最先端の治療法があるんじゃないかって。
抗がん剤治療の第一人者、腫瘍内科医の勝俣範之先生は標準治療について、以下のようにわかりやすく説明しています。(※3)
「標準治療」とは、現時点で化学的に証明された、エビデンスに基づいた最高の治療。標準じゃなく「選ばれしスーパーエリート治療」
勝俣先生いわく、
「がんの治療は、他の商売と違って、色々な商品が存在できる世界ではない。常に最高のものしか存在を許されない、命が関わっているので、この薬は効果は低いけど安いから使おうなんては 絶対にありえない」そうです。
再発後、副主治医の勝俣範之先生と
私はがんになった当初、こんなに大切なことを知らなくて、「免疫点滴」や「断食療法」の道を選んでしまった。健康な人が健康増進の目的でトライするなら悪くないかもしれません。でもがん患者がやると危険だと、あとで身をもって知ることになったのです。
だから皆様には、迷うことなく「標準治療」というエリート街道を進んでいただきたい、と強く申し上げます。
もし治療に迷ったり、モヤモヤしたりしたとき、最初に見るべき情報、それは「がん情報サービス」です。
つづき#4 >>>知っておきたい、がんにかかった人が陥る「くれない」のこと
政府のがん専門機関である国立がん研究センターの情報サイト「がん情報サービス」
がん患者に対してがん医療情報をまとめている認定NPO法人のサイト「キャンサーネットジャパン」
(参考)
※3勝俣範之・大須賀覚・津川友介(2021)『最高のがん治療』ダイヤモンド社 P.32~標準治療は「スーパーエリート」の治療法
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