
3回目ワクチンでリンパ節が腫れた!「温めるべき?冷やすべき?どっち!」【医師に聞く】
ワクチン副反応の聞き書きを進めていくと、2回目よりも「リンパの痛み」の訴えが増えていると感じます。
副反応でこの痛みが出たらどうすればいいのか、豊洲はるそらファミリークリニックの土屋裕先生に教えてもらいました。
『3回目ワクチン副反応で「リンパが痛む」人が続出。原因は?対策はどうすれば?【医師に聞く】』に続く後編です。
リンパ節炎に解熱鎮痛剤は効きますか? 効くのはどんな成分ですか?
強いリンパ節炎に見舞われ、バファリンを飲んだが思うような効き目が得られなかったという声について。バファリンには解熱鎮痛作用はありますが、成分によっては連続して飲むと胃への負担が少々高めかもしれません。
すでに強い反応が出ている場合、解熱鎮痛剤は効きづらい傾向があります。ワクチン接種時に推奨されるカロナールは胃への負担がほとんどなく、安全に使いやすい薬ですが、効果は他の解熱鎮痛剤に比べると少し弱めです。痛みと熱は抑えますが、炎症や腫れを抑える作用は少ないため、効果を感じない場合はロキソニン、ボルタレンを処方することもあります。市販薬ならばロキソニンS。ただし胃が荒れたり腎臓への負担や蕁麻疹なども起きることがあるため飲み過ぎは注意です。
リンパ節炎は通常では数日から1週間くらいでよくなります。我慢できるなら強い薬を飲まなくてもいいかもしれません。
というのも、コロナワクチンのアナフィラキシーを心配なさる方は多いのですが、コロナワクチンのアナフィラキシーの発生頻度は、ファイザーが100万人に4.7人、モデルナが100万人に2.5人、一方ロキソニンやボルタレンなどの解熱鎮痛剤では100万人に1300人くらいと言われています。こうした点からも解熱鎮痛剤を安易に予防的に飲むことはお勧めしません。カロナールはロキソニンやボルタレンよりもアナフィラキシーや上述の副作用も少なく、そうしたことからも安全で使いやすいのでカロナールが処方されやすいのです。
リンパ節が腫れたとき、「冷やすべき?温めるべき?」
リンパ節炎の手当について、標準的な対処は策定されていません。炎症のしくみから考えると、熱と痛みと血管の拡張は同じ物質によって起きるため、急性の炎症は冷やしたほうがいいでしょう。ただし、冷たいもので長時間冷やすのは難しいので、最初だけ氷枕や冷凍シートなどごく冷たいもので冷やし、しばらくしてから湿布を貼るのもいいでしょう。
湿布には冷却効果はないと言われます。痛みをとる鎮痛効果、炎症をおさえる抗炎症効果がありますが、熱を下げてくれる効果はほとんどない。痛みは取ってくれるので、冷やすほうがいいでしょう。肺炎球菌のワクチンのガイドラインでは湿布に効果があると書かれています。
リンパ節が痛む場合、強い炎症が起きているので、炎症を助長させないという意味で体を温めすぎないほうがいいでしょう。お風呂も、入浴そのものは問題ありませんが、長湯をしたり温めすぎたりしないように。
痛む部分をもんだりこすったりすることも、炎症を起こしている部位を刺激することになるのでNG。あまりにも痛むようなら病院で強めの解熱剤を出してもらってください。
じつは、一般にリンパ節炎は「痛みで3日眠れない」というレベルまで腫れるものでもなく、ぼく自身もそこまで強い痛みの方を診察したことはありません。もしかして、打った場所からばい菌が入り込んできて「化膿性リンパ節炎」という病気になっていた可能性もあります。我慢できないレベルの痛みなら病院を受診できるといいですね。
この記事の前編>>>3回目ワクチン副反応で「リンパが痛む」人が続出。原因は?対策はどうすれば?【医師に聞く】
お話/医療法人長生会 豊洲はるそらファミリークリニック
院長 土屋裕先生
医学博士、日本呼吸器学会専門医・指導医、日本アレルギー学会専門医、日本医師会認定産業医。
「2020年4月に開業したときには新型コロナがまさに流行り始め、呼吸器内科を標榜しての開業が危ぶまれました。しかし呼吸器内科医として逆にこういう時こそ新型コロナに立ち向かわなければいけないと奮起し、開業と同時に発熱外来を立ち上げ、都内で2番目の新型コロナPCR検査を公費でできるクリニックに承認され、新型コロナワクチンも基本型施設となり地域の中核として接種してきました。コロナ診療以外もアレルギー、咳や喘息、肺炎の患者さん、生活習慣病の患者さんが日々多く来院され、スタッフ全員春風のような優しい笑顔をモットーに診療にあたっています」
東京都江東区豊洲4-10-18 プライヴブルー東京1階
03-6211-0833
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