レスだった2人が、40歳をだいぶ過ぎてから「よりいっそう」深く交歓しあうようになった意外なワケ
昨年末、25年ぶり実施の『性機能障害の全国実態調査に関する報告』が発表されました。年齢別EDの有病率はなんと50歳以上で41.7%。また、性交頻度が1カ月に1回未満(1カ月間に1度も性交がない)を「セックスレス」としたところ、全体の70.4%が該当しました。
つまり、日本は少子高齢化と同時に、恐るべきレス社会に突入していたのです。これは人口問題そのものであり、我々は少子化どころか無子化社会を生きていると言えます。
これらの社会課題を男性側の視点で捉え、執筆を続けるライター・山下あつおみ氏が、レスを抱えた夫婦問題についてレポートします。
前編記事『49歳、順風満帆の公務員男性が「もう一生レスかと覚悟した」真っ暗闇から再び「愛ある暮らし」に戻れた起死回生の瞬間』に続く後編です。
【無子社会を考える#5】後編
沖縄で運命のようにヨガと出会った。大きな、人生を変えるくらいの出会いだった
「家族で沖縄旅行に行ったときです。宿泊先のリゾートホテルの芝生で行われるヨガ体験に思い切って参加したんです。それで夫婦共にヨガにハマったんですよ」
どうやら旅先で出会ったヨガ体験が夫婦にとってのセレンディピティとなったようです。
「急に人生が明るくなったといっても大袈裟ではないくらい。夫婦でヨガに偶然出会ったことが、後の人生の方向を決めるほどの大きな転機となりました」
旅行の後、ユウキさん夫婦はさっそく、家の近くのヨガ教室に通い始めて、自然と健康的なライフスタイルを追求するようになりました。今では毎朝、夫婦揃ってヨガマットを敷き、静かな音楽を流しながらヨガをするようになったそうです。何より、奥様の笑顔を見ると、心が軽くなるような感覚をユウキさんは覚えたといいます。また2人の娘もヨガをするようになり、家族全員の日常の中にヨガがある、そんな日々を過ごすようになったそうです。
「それまでの人生が180度変わるぐらい、生活や意識する対象が変わっていきました」
ヨガをきっかけに、週末は夫婦でウォーキングを楽しむようになりました。2人で歩きながら、仕事のことや子どもたちのこと、そしてお互いの夢や希望について語り合う時間は、まるで新婚時代に戻ったかのような幸せなひとときだそうです。
こうしてユウキさん夫婦の会話は、以前よりも深く、豊かになっていきました。
「自然とスキンシップが増えていきました。2人とも、体力が上がっていき、以前よりも格段に健康になったと思います。それまで海の近くにいたことも意識していなかったのですが、世の中を見るための別の目が開かれて。いまは自然に恵まれた場所に住んでいることを実感しています」
愛情とは、健康的な生活の一部である。自分たちの「生」に向き合うことができた
ここで現在もレスなのかを質問してみると、ユウキさんは照れくさそうにこんな返事をしてくれました。
「今は、以前とは違ってレスではありません。ヨガを通じて自分たちの体と心にもっと敏感になれたんです。それで自然とセックスも増えて、心と体の距離が縮まった感じがします。むしろ前よりも頻繁に妻を抱いています(笑)。 以前は仕事の疲れやストレスを理由に距離を置いていたけど、今はお互いの健康を大切にすることで、逆に仕事のパフォーマンスも上がっているんです。ヨガをきっかけに食生活の見直したこともよかったのかな」
ユウキさんは、奥様と一緒に健康的なレシピを調べるのが日課となり、野菜中心のバランスの取れた食事は、家族の体調を整えるだけでなく、料理を通じてのコミュニケーションも生まれました。
ユウキさんの話からは、ヨガが夫婦関係に与えたポジティブな影響が伝わってきます。レス問題を乗り越えた彼らの経験は、同じような悩みを持つ多くの夫婦にとって参考になるかもしれません。
「もしも夫婦で何か問題があったとしても、お互いのことを理解しようとする姿勢が大切だと思います。私たちはヨガを通じて互いの心と体のバランスを見つけ、それが夫婦関係に良い影響を与えてくれました」
もしも目の前のレス問題を乗り越えられたら、夫婦のこれから先の絆もずっと深いものになる
最後に、ユウキさんはこう語ります。
「人生は長いですし、夫婦生活もまた然りです。だからこそ、お互いに寄り添い、共に成長していくことが大切だと思います。レス問題を乗り越えて、私たちはさらに強い絆で結ばれたと感じています」
夫婦の絆を深めることは、時には挑戦が伴います。しかし、ユウキさん夫婦のように、お互いを理解し、共に歩むことで、その絆はさらに強固なものとなるでしょう。
前編記事>>>49歳、順風満帆の公務員男性が「もう一生レスかと覚悟した」真っ暗闇から再び「愛ある暮らし」に戻れた起死回生の瞬間
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