元国税芸人が教える「意外な確定申告」サラリーマンでもお金が戻る5つのケースって?
1ヶ月間の確定申告期間も終わりを告げようとしています。オトナサローネの読者の皆さんは確定申告をしたのでしょうか。よくわからないからしていない、会社でやってくれているから大丈夫、そんな風に考えたことはありませんか。
会社がやっているのは、確定申告ではなく年末調整です。年末調整ではできないことがたくさんあるので、会社員でも確定申告が必要な場合が多々あります。
必要でも誰も連絡してくれない
副業やギャンブルによる収入がなければ、確定申告をして納税額が増えることはありません。ほとんどの場合、所得税が還付になります。ただ、還付になる条件が揃っていても、確定申告をしなければ還付金は受け取れません。また、確定申告をしないからといって「あなた損していますよ」なんて、税務署や区役所が教えてくれることはありません。
あなた自身が知識を身につけて、対抗しなければならない。どんな場合に確定申告をして還付金を受け取ることができるのかを把握しておかなければいけません。納税の場合も同様です。ただし、納税の必要があるのに確定申告を怠っていても、脱税で捕まるようなことはありませんのでご安心ください。怒られることもありません。納める税金がちょっぴり増えるだけです。
会社員が確定申告で還付金を受け取れる事例
多くの会社員は、勤務先の年末調整があるので確定申告が必要ありません。しかし、年末調整で対応できないものや年末調整後に控除ができるようになれば、あなた自身が確定申告をする必要があります。例えば、
・医療費が10万円以上ある
・家を買ってローンを組んだ
・年末に結婚した
・6ヶ所以上の自治体にふるさと納税をした
・雑損控除を受ける
です。
1・医療費が10万円以上ある場合
医療費が10万円を超えると、超えた分を所得から控除することができます。この10万円は生計を一にする家族の分を合計することができ、所得が200万円以下であれば所得の5%を超えた部分が控除できます。
セルフメディケーション税制という薬代が1万2000円を超えていれば所得から控除できる制度もあり、あなたにとって有利な方を選択することができます。
2・家を買ってローンを組んだ場合
家を買ったり増改築したりして住宅ローンを組んだ場合も控除を受けられます。最大10年間受けられますが、確定申告が必要なのは1年目だけです。あとは、勤務先の年末調整で対応できます。
3・年末に結婚した場合
すでに年末調整が終わっている時期に結婚し、配偶者控除を受ける場合も確定申告が必要です。配偶者控除は12月31日時点で結婚していれば良いので、1月1日に籍を入れるか12月31日にするかで迷っている方は、後者を選択しましょう。1年分多く配偶者控除を受けられます。
4・6ヶ所以上の自治体にふるさと納税をした場合
ふるさと納税は、以前は必ず確定申告が必要でした。現在は、ワンストップ特例により5ヶ所までなら確定申告を要しません。6ヶ所以上の場合のみとなりました。ただし、ふるさと納税以外の理由で確定申告をする場合は、ワンストップ特例を利用していても、確定申告書にふるさと納税について記載します。
5・雑損控除を受ける場合
あまり知られていませんが、災害や盗難になった場合は、雑損控除が受けられます。独特の計算式がありますので、災害で家が壊れた方、日常生活で物を盗まれた方は、国税庁のホームページでお調べください。災害は、地震、水害、落雷、火災以外に、シロアリなどの生物被害も対象です。滅多にやってこないとは思うのですが、ゴジラに家を壊された場合も対象です。証明できるものを持って、税務署へ行ってください。
確定申告や節税の知識は、学校や会社では教えてくれません。そのため、あなた自身がアンテナを張って積極的に情報を手にいれる必要があります。社会には知らずに損をすることがままあって、敏感な人だけがその情報で得をしています。そういうことの積み重ねが、預貯金に反映されることもあります。同じ年収の同僚やご近所のママさんに負けないために、正しい情報を集めて、有利に物事を進めてください。
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