「うちの旦那、最後までできなくて」妻がママ友に話した日。43歳・夫が決めた「3年間、言わずにいること」とは
妻のレスは「悩み」、夫のEDは「ネタ」だった
ママ友の集まりで交わされた会話を、ケンサクさんは何度も頭の中で再生したといいます。そこで気づいたことがありました。
「『産後、夫に触られたくない』という話は、あの場で真剣に共感されたらしいんです。身体が戻っていないとか、育児で余裕がないとか。それは悩みとして扱われている。でも『夫ができない』は、笑っていい話だったんです」
同じ夫婦の、同じ寝室の話です。片方の『したくない』は痛みとして受け止められ、もう片方の『できない』は笑い話として消費される。
セックスレスに関する調査は少なくありません。ただ、その多くは「どちらが拒否しているか」を軸に設計されています。日本家族計画協会の「男女の生活と意識に関する調査」でも、レスの理由の1位は男性が「仕事で疲れている」、女性が「面倒くさい」。意欲や余裕をめぐる項目が上位を占め、身体の機能そのものは目立つ位置に出てきません。
「男は常にしたい側で、するかしないかを決めるのは女性側、という前提があるんだと思います。その前提の中では、僕みたいな男は存在しないことになっている。だから笑われる。存在しないはずのものが出てきたから」
ケンサクさんは、妻を責めてはいません。ママ友たちのことも責めていない。ただ、妻の話を聞いた夜に、はっきり思ったことがあるといいます。
「ああ、この人とはもう一生ないな、と思いました。そのとき初めて、そう思った」
怒りではなかった、と本人は言います。その夜以降、ケンサクさんは治療を続ける理由も、本当のことを打ち明ける理由も、同時に失ったといいます。
「怒ってたら、まだよかったんですよ。怒るってことは、期待があるってことなので。そうじゃなくて、すっと決まった感じでした。決めたというより、決まった。妻を嫌いになったわけじゃないです。今も普通に暮らしてるし、たぶん離婚もしない。ただ、この人とそういうことをする日はもう来ないんだな、と。それが分かったら、逆に楽になった部分もあります」
ここまでは、ケンサクさんがレスの解消を目指さなくなるまでのことをお伝えしました。つづく後編『「この先、一生ないんだな」レスになってから3年。43歳の夫が悟った「寂しいまま普通に暮らす」という確信』では、その後の夫婦関係について語っていただきます。
>>後編を読む
『「この先、一生ないんだな」レスになってから3年。43歳の夫が悟った「寂しいまま普通に暮らす」という確信』
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