「牛車」はぎゅうしゃでOK?意外に間違える日本語の読み10
今回は「説明」に、ちょっと為になるワンポイントアドバイスを入れました。間違いも正せて為にもなる、そんなコラムをどうぞ。
1・意訳
読み間違いの例
いわけ
正しい読み
いやく
意味
原文の一語一語にこだわらず、全体の意味に重点をおいて訳すこと。また、その訳したもの。
例
海外ドラマでは、セリフも意訳されることが多い。直訳では変な言い回しになってしまうからだ。
説明
直訳の対義語ですね。言語はツールですから、もともと表現しようと思った事柄があるわけです。そこにアプローチするのが「意訳」ですね。なので「訳」を「わけ」と読んでしまうと、わけが分からなくなってしまいます。
2・忌引き
読み間違いの例
いみびき
正しい読み
きびき
意味
忌のため勤務先・学校を休むこと。また、そのために認められた休暇。
例
田舎の葬儀に出席するのに、三日間の忌引きを申請した。
説明
忌引きの期間は会社によって違うので、移動日も数に入れられるのか、確認しましょう。その際、読み方を間違えないように。
3・牛車
読み間違いの例
ぎゅうしゃ
正しい読み
ぎっしゃ
意味
牛にひかせた乗用の屋形車。
例
牛車に乗っている女性の着物が外から見えるようになっていて、中の人のセンスなどが分かったそう。なんともオシャレじゃない?
説明
主に荷物を運搬する荷車タイプのものと、人を運搬する乗り物タイプのものがありますが、日本ではめっきり見かけなくなりました。しかし、映画などでは登場することも多く、読み間違えるとちょっぴり恥ずかしいかも。ちなみに、道路交通法では、軽車両の扱いだそうです。
4・解熱
読み間違いの例
かいねつ
正しい読み
げねつ
意味
高温だった体温がさがること。
例
解熱剤で熱が下がった。
説明
夏が旬のものは、水分とカリウムが多く、解熱作用があるそうです。熱を下げたいからと冷たいものを飲むのは、かえって身体に負担をかけ、体力を奪うので、要注意なんだとか。
5・強情
読み間違いの例
きょうじょう
正しい読み
ごうじょう
意味
意地をはり通すこと。頑固で自分の考えを変えないこと。意地っぱり。
例
私は小さい頃から強情っぱりで、先生の言うこともあまり聞かなかった。
説明
人に流されないことは大切ですが、「強情」という言葉は良い意味では使われません。柔軟性がないこと、自己中であることなどが平行して語られます。気をつけたいものですね。
6・拒む
読み間違いの例
きょむ
正しい読み
こばむ
意味
承諾しない。応じない。拒絶する。
例
楽しそうなお誘いだったけれど、最近良い噂を聞かない人もメンバーに居ると知って、参加を拒んだ様子。
説明
「断る」と似ていますが、「拒む」と表現する時には、「断る」ことを言葉だけでなく、全身で拒否している状態を表現することが多いようです。
7・月極
読み間違いの例
げっきょく
正しい読み
つきぎめ
意味
月額を定めて契約すること。月ごとにその始末をつけること。
例
月極の駐車場を借りた。
説明
「月ごとに額が決まっている」なら「月決め」でいいのでは?と思うかもしれません。実際「月決め駐車場」などと表記しているところもあるようです。が、それは勘違い。戦前までは「極」を「きまる」「きめる」と読んでいたのですが、その後の当用漢字の制定により、この読み方が省かれてしまいました。でも、名残で「月極」と書いて「つきぎめ」と読んでいるのです。「極」は「決める」というより「約束する」という意味があるのです。だから「月決め」では意味が違うのです。
8・募る
読み間違いの例
ぼる
正しい読み
つのる
意味
広く求め集める。募集する。力がついて強くなる。ますます激しくなる。ひどくなる。
例
このプロジェクトの参加者を募る。
説明
「募集」の「募」ですね。「応募」は「募」に「応(こた)える」ことです。
9・必定
読み間違いの例
ひってい
正しい読み
ひつじょう
意味
たしかに。きっと。必ず。そうなるに決まっていること。
例
こんな狭い世界での言い争い、泥仕合(どろじあい)になる事、必定。
説明
「ひってい」と打とうとすると、ひつじょうの誤読ですよーと、ワープロが教えてくれるほど誤読で有名な熟語。普段あまり使う機会がないかもしれませんが、固い表現で使われるような場面が多い分、読み方を間違えると、恥ずかしいので注意しましょう。
10・汎用
読み間違いの例
ぼんよう
正しい読み
はんよう
意味
一つのものを広く諸種の方面に用いること。
例
スマートフォンは、汎用性が非常に高い。
説明
「ぼんよう」と読み間違える人が多いですが「ぼんよう」では「凡庸」となってしまい、全く意味が違ってしまいます。「凡庸」とは優れたところのないこと、人。人だと凡人です。似ている漢字なので注意が必要ですね。
読み間違える原因としては、漢字の特徴が原因であることも。漢字は部首以外の部分が「音」を表すことが多く、似たような漢字が似たような読みになることは避けられません。また、一つの漢字に複数の読み方があることが読み間違いの原因である可能性も高いです。
要するに「推測」で読んではいけないということ。「何て読むのかしら?」と感じた熟語は、知ったかぶりでなんとなく読むのではなく、読みを調べておく癖を付けると良いでしょう。最近はスマホでサクッと調べられます。まずは調べる癖をつけることが、誤読をなくす上で大切なことなのかもしれません。
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