娘の合格を願うほど、離婚できなくなる?レス歴10年の46歳夫が「たぶん、僕は別れようと言わない」と話す理由

2026.11.06 LOVE

自分の欲求のために家族を壊すのか、と自分に聞いてしまう

マサノリさんは、この10年のあいだに2度、専門のサービスを利用したことがあると打ち明けました。「40を過ぎてからです。行けば少しは楽になるかと思った。でも、帰りの電車でものすごく虚しくなって、それきりです。お金を払えば済む話じゃなかった。僕が欲しかったのは、行為そのものより、妻に男として受け入れられることだったんだと思います」

 

外に相手をつくることは考えなかったのか。そう尋ねると、マサノリさんは首を横に振りました。「職場にも、そういう人はいます。でも僕がそれをやったら、妻に触れたいという話が全部嘘になる。それに、離婚を切り出す前にそんなことをしたら、こっちが有責になる。そういう計算をしている自分もいて、嫌になるんです」

 

それでも、離婚を考えるたびに、同じ問いが返ってくるといいます。「結局は自分の欲求の問題じゃないのか、と。妻はいい母親です。家のこともちゃんとやってくれるし、娘の受験も本当によく支えている。喧嘩もない。それを、自分が触れられないという理由だけで終わらせていいのか。周りに話したら、たぶん10人中9人が『そんなことで』と言うと思います」

 

一方で、こうも話します。「でも、そんなことじゃないんです。10年間、同じ家にいて、一度も触れていない。触れていいのかどうかも分からない。それがどれだけ自分を削るか、言葉にすると軽くなってしまうのが悔しいです」

 

 

娘の作文に、『パパとママは仲がいい』と書かれていました

この6月、マサノリさんは娘さんの小学校の授業参観に奥さまと2人で出かけました。その日の国語の授業は、「わたしの家族」をテーマにした作文の発表会。そこで娘さんが読んだ作文の内容は、マサノリさん夫婦のことでした。「うちのパパとママはけんかをしません、夜おそくまで2人でわたしのテストを見てくれます、と。教室で拍手が起きて、隣の妻も笑って手を叩いていました」

 

マサノリさんは、その作文を嘘だとは思わなかったといいます。「娘から見たら、本当にそうなんですよ。喧嘩はしないし、2人で受験を支えている。僕らが娘に見せてきたものは、娘の中ではちゃんと事実になっていた。それが、いちばんこたえました」

 

帰り道、夫婦は並んで歩きながら「いい作文だったね」「うん」とだけ言葉を交わしました。家に帰れば、それぞれの部屋で眠る生活は変わりません。

 

「人前で並んで拍手するのは、こんなに簡単なのに、と思いました。離婚を切り出したら、娘はあの作文を書いた自分をどう思うんだろう。あれは嘘だったのかと、娘に思わせることになる。僕が壊すのは、これからの家族だけじゃなくて、娘がこれまで見てきた家族なんだと気づいたんです」

 

娘さんにとっては、物心ついたときから、両親が別々の部屋で眠る家が「普通の家族」でした。子どもに見せるための夫婦の姿は、子どもの中で、疑いようのない記憶として積み上がっていきます。離婚は、その記憶まで書き換えることになる。マサノリさんにとって、それはお金の計算よりも重い問題でした。

 

 

▶妻に話そうとしたら『今それどころじゃないでしょ』とピシャリ

スポンサーリンク