中森明菜、実はジャニーズに翻弄され続けてきたその人生

2019.07.19 LIFE

特定の誰がをうらんでいるわけではありませんが、オトナやそのほかの人にだまされたなぁと思うことはあります。「努力は裏切らない」とか、「結果よりも、プロセスのほうが大事」とか。

 

しかしながら、私のような人間がいくら練習(努力)してもオリンピックにはいけませんし、受験も仕事も結果を出さなければ、意味はありません。だまされた、もしくはだまされたくないという気持ちが、私の書く原動力なのかもしれません。

 

しかし、最近になって、生命が危険にさらされたり、警察のお世話になったり、あらゆる意味で再起不能状態に陥らないのであれば、「だまされる」というは、悪くないことなのではないかと思い出してきたのです。なぜなら、「だまされる人」というのは、「挽回する才能もある人」なのかもしれないと思うのです。

 

大先輩・お千代さんの騙され遍歴

女性がだまされると言えば、カネとオトコ。

 

芸能界のスターで「カネ」でだまされちゃったといえば、昭和の大スター、島倉千代子さんが浮かびます。

 

コンサートの最中に、ファンが投げたテープが目にあたり、失明寸前に。治療してくれた眼科医と懇意になり、実印を貸してしまいます。なんだかいやーな予感がしますが、その医師はお千代さんの実印で借金をし、事業を興して失敗し、トンズラこきます。残されたのは多額の借金でした。

 

さらに、実印はお千代さんの知らない人の手に渡り、よく知らない人が印鑑を使ってがんがん借金をしていた。法的に責任がありますから、お千代さんは返済しなければならない。

 

このときに、借金を立て替えるかわりに、お千代さんのマネジメント権を手に入れたのが、六占星術でおなじみ、細木数子センセイです。

 

「結果オーライ」な騙され方もこの世にはある

大スターが借金返済のため、キャバレーのどさまわりを余儀無くされる。しかし、体調を壊すこともなく、人気も落ちなかったのです。借金を返し終わった後にリリースしたのが、「人生いろいろ」。お千代さんの代表曲です。

 

もちろん、作詞作曲はお千代さんではありませんが、これはお千代さんのように「だまされちゃった」けれど「大丈夫だったし、別にめげてない」人が歌うから意味があると思います。

 

私はうたぐり深いので、スターのお千代さんが返せないくらいの金額を、金融機関がひとりのドクターに貸すのが疑問に思いますが(よっぽど筋の悪いところに借りたか、借金の金額が水増しされていたか)、そんなことはどうでもよい。

 

お千代さんは、この借金で死ぬ思いをしたかもしれませんが、死んでいませんし、「人生いろいろ」で大ヒット曲と飛ばして、新しいファン層を獲得した。だったら、この出来事はトータルで見て「アリ」なのです。ちなみにお千代さん、借金を返した後、今度は事務所の社員に使い込みをされ、多額の借金を背負っています。

 

芸能界、オトコでだまされちゃった部門にノミネートしたいのは、昭和の歌姫・中森明菜です。

 

スター誕生史上最高得点で芸能界入り、デビューから順調にヒットを飛ばし、芸能界入りする前からファンだった、近藤真彦と交際を始めます。なお、明菜は、マッチの映画「ハイティーン・ブギ」の相手役のオーディションを受けていますが、落選しています。

 

明菜と聖子の明暗が分かれた理由は何か?

ここまでは、明菜のライバルとされる松田聖子とよく似ています。しかし、大きく違うのは、マッチがジャニーズ事務所に所属していたことだと思います。

 

ジャニーズ事務所といえば、ジャニー喜多川氏と姉のメリー喜多川氏がきょうだい二人三脚で作った芸能事務所です。ジャニー氏がスカウトをし、実務部門はメリー氏が回す。この兄弟はたった二人で、事務所を芸能界屈指のスター軍団に育て上げます。

 

売れっ子を輩出するということは、権力が増していくということ。ジャニーズ事務所を出たタレントは干されてテレビに出られないとか、ジャニーズのタレントと恋愛をすると、相手の女性がつぶされるというような話を誰でも一度は聞いたことがあるでしょう。

 

これに加えて、マッチには熱狂的なファンの存在があります。「ザ・トップテン」(日本テレビ系)に出演した明菜が、マッチファンに「帰れ!」コールを浴びせられたのを見た記憶があります。

 

アイドルの恋愛はご法度とされていましたが、それでも二人の人気が落ちることはなく、長くつきあっていましたから、それなりに相性はよかったのでしょう。

 

「百恵さんのように、結婚したら引退したい」という明菜の結婚願望が強くなってから、二人はおかしくなっていったのかもしれません。

 

「ザ・ベストテン」(TBS系)の七夕のころ、短冊に願いを書くという企画があったのですが、明菜は「早くお嫁さんになりたい」。すでに自分の出番を終え、ソファに座っていたマッチの顔が大写しされますが、顔面蒼白。素直に思ったことを書いたのでしょうが、重い・・・。

 

明菜の付き人を1年つとめた後、暴露する側に転じた木村恵子氏の「中森明菜 哀しい性」(講談社)によると、明菜はマッチの帰宅を待つ際、早く会いたいがために、マンションのエントランスでうろうろしていたとか重ーいエピソードが書かれています。「結婚のため」かなりの金額を貢いでもいたそうです。もしも本当なら、マッチ、カネだけは返して!

 

家族から一人、スターが出ると、そこにたかるのはよくあることのようです。

 

明菜の兄弟は事業を始めてはつぶし、明菜に内緒で事務所に借金までしていた。

 

今でこそ、ジャニーズのタレントは遅めの結婚をしていますが、当時はアイドルが結婚したらとんでもないという雰囲気だった。

 

そういった行き詰まりから、明菜はマッチの家で自殺を図ってしまいます。1年あまりの休養の後に、マッチと同席した記者会見で、事務所からの独立と「自殺の原因は、マッチではない」と釈明しますが、当時の週刊誌には「婚約会見をやるとメリー喜多川にだまされた」「新事務所への独立を画策したのもメリー」と書いてありました。

 

どこまで本当かはわかりませんが、そういうことをやりそうな事務所と考えられていたことは確かです。

 

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