結婚しないまま婚活を終了した40代。その決断に「大満足」の理由とは?
こんにちは。40代の婚活を応援する結婚相談所SUN SUN CALLの婚活マネージャー野上今日子です。私たちは成婚だけがゴールとは考えていない、ちょっと珍しい結婚相談所です。
前回は40代の婚活の中でも、特にギリギリ出産可能な40代前半の女性の婚活事情について、実際の会員様のケースを例にご紹介しました。
42歳で成婚、43歳で出産を目指し、怒涛の婚活を続けていた彼女。活動を開始し半年、自分が求めるパートナー像が分かり始めて3カ月で、ひとつの決断をしました。
【40代の婚活塾#9】
父親? パートナー? 求めているものは?
40代前半婚活あるあるのトップは「出産のリミットが迫っているから結婚したい」というもの。
何度も言いますが、結婚さえすればすぐに妊娠し、出産できるというものではありません。しかし、話を聞くと、その辺をかなり甘く見積もっている人がとても多い。普段は冷静に物事を判断できるバリキャリ女性も、「タイムリミットが迫っている」という現実をひしひしと感じている中で、自分自身を見失っているようです。
私が以前担当したNさんも最初は必死でした。しかし、婚活を続けているうちに言葉に変化が表れてきました。
以前は、「最悪、結婚しなくてもいいから子どもは欲しい」と言っていましたが、段々「子どもの父親ではなく、パートナーとして一生を共にできるかという視点でお相手を見るようになっています」と言うようになってきました。
申し込んでくれた男性と会ううちに、趣味の話で意気投合でき、一緒にいてラクな相手と過ごす心地よさに気づいたようです。
しかし、それでもなお、子どもを産みたいという願望はあきらめていませんでしたが…。
“普通の家族”という幻想
話は変わりますが、何故そこまで子どもにこだわるのでしょう。理由はいろいろありますが、そう思い込むベースには、やはり“普通の家族”幻想があるように思うのです。
テレビをつければ、CMでママが、一姫二太郎のお姉ちゃんと弟に朝ご飯を作り、パジャマ姿のパパが新聞を読みながらコーヒーを飲んでいます。もちろん、みんな笑顔。
休日にはパパが運転する自動車の助手席にママ、後部座席に子ども2人が乗って、ピクニックに出かけるようです。もちろんみんな笑顔。
そしてある時は、わんぱく盛りの子どもが部活から帰ってきたらママが笑顔でカバンと靴に消臭剤を吹きかけ、お酒を飲んで帰宅したパパの背広にもシュッとひと吹き。もちろんみんな笑顔。
そんな風に、夫婦と子ども2人の4人家族が日本の平均的な“普通の家族”だという事を、小さな時から刷り込まれているのです。
ですから、そういう家庭を築く事が当たり前だと思っていたのです。
しかし、今はそういう時代じゃないではありません。
同性婚を認めるところも増えつつあり、そういう家庭に養子を迎える事が普通という時代は、そう遠い事ではないような気がします。
養子を迎えるという選択も?!
NさんがCMに感化されたとは言いませんが、何となくそういう価値観にとらわれているような気がしていました。
そんな時、Nさんはあるニュースを目にしました。元アイドルの女性が4年間の不妊治療の末、養子を迎えたというニュースです。
さらに同じぐらいの時期に、身近な先輩女性が養子縁組をしたというのです。
彼女はそのアイドルの記事を、夢中で読み込みました。
そして先輩女性にも直接話を聞きに行ったのです。
そこで読んだり、聞いたりした話は、Nさんの想像を超えるものでした。
妊活は婚活どころじゃない先の見えないツライものである事。
時間もお金も想像以上にかかる上に、精神的なダメージが大きい事。
それだけいろいろなものを消耗しても、必ずしも結果が出るとは限らない事。
話を聞くだけではなく、自分でも養子について調べてもみました。
そこで、初めて自分の本心がはっきりと分かりました。
「私はそんな思いをしてまで子どもを欲しいとは思っていなかった」と。
養子を迎えるほど子どもを切望している人を見て、自分にはそこまでの気持ちはない。さまざまな手続きや親になるための審査、そしてそのための心構えをするのは無理だと悟ったのです。
ようやく分かった本心と婚活からの卒業
Nさんがぽつりぽつりと語りだしました。
「元アイドルの人も先輩女性もすごいと思った。本当に心から。
でも自分は、仕事もあるのに、時間的にも金銭的に精神的にも体力的にもそこまで頑張る気力がない。
子どもを持つことは、私の人生の最優先事項じゃなかったんだ。
そしてもっと本音を言うと「子どもはあまり好きじゃない。欲しくない」と認めるのが怖かった。
人として欠陥があるんじゃないか。母性がないと思われたくない。子どもが苦手なんて、人でなし、冷酷、愛情が欠落している。そんな風に思われるんじゃないかと不安だったんです。
世間の声が、目が怖かった。
でも今はわかった。
私は子どもを持つことを望んでいない。
もちろん、もっと若い時に結婚して、自然に妊娠していたら、すごくかわいいと思うし、愛情もわくと思う。
しかし、この年まで一生懸命仕事をして、それなりに認められ、充実した毎日を送っているこの生活を全部犠牲にして、子どもを持つという選択は今の自分にはない。
42歳のうちに子どもを作ろうと思っていたので、頑張って婚活をしていましたが、その理由がなくなりました。本当の人生のパートナーを得ることと子どもは関係ない。だったら、今じゃなくてもいいと思うんです」
すがすがしい表情で彼女は苦しい婚活からの卒業を宣言したのです。
笑顔でいられればそれでよし!
それからNさんは変わりました。結婚に対する考え方がすごくシンプルになったのです。
●結婚は今じゃなくていい
●人生の後半、40代、50代、60代の30年間を楽しく過ごそう。子育てをしない分、好きな人と笑って生きよう。
●パートナーと相談して、もし本当に子どもを育てたいと思ったら、その時に養子を迎える事を考えればいい。
●そもそも両親にしても孫が可愛いのは4歳ぐらいまで。そのあとは、じいじとばあばはお財布なんだからと気楽に考えよう(笑)
●私が健康で、笑って、幸せそうに生きている事が本当の親孝行なんじゃないか。
そんな事を話しながら「今は毎日を楽しむ事に集中します!」と笑っています。
Nさんの笑顔を見て彼女は大丈夫だと思いました。
憑き物が落ちたというのでしょうか(笑)。案外そんな時に素敵な出会いがあるものです。
婚活したから見えた未来
Nさんは言います。
「私にとってこの結婚相談所での婚活は無駄ではありませんでした。自分の事が良く分かったし、何をパートナーに求めるかも分かりました。最初にどんな人と結婚したいのか、どんな生活がしたいのかと聞かれた時は、具体的なビジョンは出てこなかった。しかし、お見合いを重ねるうちに、私はこういう人と出会いたいのだという事がはっきりしました。そして、子どもを持つという事に対して、現実味を帯びた未来が見えました。婚活して本当に良かったです」
婚活マネージャーにとって、成婚していただく事は何よりの喜びです。
しかし、Nさんのように、たった1度の自分の人生、どう生きたいのかをはっきりと分かったと言っていただく事も同じように喜びです。
晴れやかな笑顔のNさんは「また結婚したくなったら、ここに戻ってきます!」と言って相談所婚活を卒業されました。
私はNさんのような卒業もありだと思っています。
成婚する事だけが正解ではないと思うから。
Nさんのこれからの人生が素晴らしいものになりますように!
SUN SUN CALLは日本結婚相談所連盟(IBJ)に加盟しています。
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