なんだか息苦しい?頑張りすぎてしまう、真面目なあなたへ【10月のタロット】

【すきま】いいもん見ちゃった

ポエタロはクラウドファンディングで製作した。

 

段取りをしてくれたのがGさんという30代の若き社長で、

その会社に完成品を持って行った時のことである。

 

社長と同年代のうら若い女性スタッフたちが集まってきて

カードを引いてくれることになった。

 

同棲中の彼とのこと、引越し、

仕事や人間関係の悩み、経済の問題などなど

20代、30代という彼女たちにはストレスが尽きないもようで、

当たってるぅ! と、はしゃいだり驚いてくれたりする様子に、

その年頃の自分を重ねて思い返す。

 

Gさんは彼女たちの反応に

「そんなに当たるなら怖いからやめよう」と

息を殺していたところを

とうとう引っぱり出されてしまった。

 

Gさんが引いたのは「すきま」だった。

 

一瞬の間があって

女性スタッフたちの叫びにも似た声が社内に響いた。

 

<まじめだけれど息苦しい毎日>

<物事にはゆるみをもたせて>

<枠にはめないで>

 

彼女たちはそのメッセージいちいちに反応して

お腹をよじらんばかりに大笑いしている。

 

同年代の社長は、

彼女たちが心配してあげたくなるほど

まじめで堅物、

しかも愛されキャラらしかった。

 

真っ赤になったGさんを取り囲み

「あんまりきちんとやらなくていいんですよう、社長。」

「私たちがフォローしますからー。」と

口々に言う元気な女性たち。

 

いいもん見たなあと思った。

そのことも含めてGさんには感謝する。

 

 

覚 和歌子

©FUKAHORI mizuho

詩人・作詞家

山梨県生れ/千葉県育ち。早大一文卒。平原綾香、smap、新垣勉、夏川りみ、クミコ、ムーンライダーズなどの作詞で、多くの作品をCD化。NHK全国学校音楽コンクール課題曲、校歌、合唱組曲等の作詞なども多く手がける。01年『千と千尋の神隠し』主題歌『いつも何度でも(曲・歌唱/木村弓)』の作詞でレコード大賞金賞。詩集『ゼロになるからだ』(徳間書店)、『はじまりはひとつのことば』(港の人)、『2馬力』(ナナロク社)など。エッセイ、絵本、翻訳など著作多数。映画監督、脚本、舞台演出、朗読、自らのバンドを率いてのソロライブ、米国ミドルベリー大学日本語学特別講師など。詩作を軸足にマルチな活動を展開。

 

***

 

ポエタロ」とは?

「ポエムタロットカード」を縮めた名前、『ポエタロ』。

47枚のカードにはそれぞれ、美しくやわらかい日本語の詩と、

かわいらしくも不思議な魅力のあるイラストが描かれています。

使い方はいたって簡単。シャッフルしたカードの中から、

その時の直感で1枚、あなた自身のためにカードを引いてみてください。

1日のはじまりにその日の指針を得てもいいし、なにか大きなチャレンジの前、

なかなか超えられない壁に直面しているときに。

そのときの気持ちや環境にリンクした、やさしい詩とメッセージが、

次の1歩を踏み出す勇気や確信を与えてくれる不思議なカードです。

あなたの心強い味方になってくれるはず

『ポエタロ いのちの車輪をまわす言葉』

覚 和歌子・著 石川 勇一(相模女子大教授)・監修 大野 舞(Denali)・画 カード47枚 ガイドブック付き 3,780円(税込)/地湧社

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