壇蜜、あの結婚報告が「なんだか鼻についてしょうがない」やむを得ないワケ
11月22日、イイフーフの日にちなんで入籍した芸能人は多かったようです。壇蜜も漫画家・清野とおると結婚を発表しました。結婚発表後、初の出演となった「サンデージャポン」(TBS系)で、コメンテーター・壇蜜は冴えていました。
剛力の女優生命ピンチ報道を、「問題ない」と言い切った壇蜜
女優・剛力彩芽が実業家の前澤友作と破局したと報道されました。
ご存じない方のためにワンポイント解説しますと、25歳まで恋愛禁止令があるというオスカー事務所で、きちんとルールを守り、女優としてキャリアを積み上げていった剛力でしたが、公になった初恋愛の相手が大富豪。
つい浮かれてしまったのでしょう、前澤氏のプライベートジェットに乗ってワールドカップを見に行ったことなどをSNSにアップしてしまい、「金持ち自慢」とネットで叩かれます。
お相手の前澤氏も聞かれもしないのに、自分からプライベートジェットの値段をツイッターで公表するなど、なかなかのクセ者。
この交際が災いしたのか、剛力はCMやラジオなどのレギュラーをどんどん失っていきます。そうこうするうちに、今回の破局。
交際中から仕事がジリ貧に陥っていたことから、ネットニュースやワイドショーでは「剛力の女優生命は終わりだ」くらいの勢いで、剛力アウト宣言をしていたのですが、そんな中、壇蜜だけが「何か問題でもありますか?」と発言していたのです。
壇蜜曰く、剛力は「若く、仕事もあり、事務所も大きい。何の問題もない」と解説していました。
一時的に仕事が減ったとしても、事務所が新たな仕事を取ってきてくれるだろうし、若いのだから、いくらでもやりなおしがきく。気にすることはないと言いたいのではないでしょうか。
おそらく、剛力が下降すると考える人は「イメージダウン」を理由にしているのだと思いますが、剛力は警察のお世話になったわけではありませんし、不倫をしたわけでもない。ちょっとクセのある人と交際しただけ。
もちろん、すぐにレギュラーは戻ってこないでしょうが、世間なんてそのうち、剛力の恋愛を忘れてしまうもの。ゆえに気にすることはないと私も思います。
壇蜜の冷静さは就職氷河期と関係あり?
壇蜜はデビュー直後から「サンデージャポン」に出演して、「誰も責めないコメンテーター」として好評を得ています。
彼女の強みは「芸能人でありながら『誰も自分をそこまで見ていない』と知っている芸能人」であることではないでしょうか。「無駄にあらがわない姿勢」は、壇蜜の来し方とも関係がある気がします。
壇蜜はロスジェネ世代。就職活動を行う頃は氷河期で、壇蜜も全敗したそうです。ハケンで受け付けや銀座のホステス、和菓子店や葬儀場で働くことになりますが、「非正規」もしくは「手に職」というあたりが、いかにもロスジェネ的な選択と言えるでしょう。
紆余曲折を経てたどり着いた芸能界で、昭和的なエロスのアイコンとしてブレイク。壇蜜は「ボクらの時代」(フジテレビ系)でその理由を「絶世の美女じゃないから」と答えていました。
デビューした頃の壇蜜は「Hな隣のお姉さん」をウリにしていましたら、「隣にいそう」と思ってもらうほうがトクであることと、ネットの普及で、芸能人がネタになりつつあることを予見していたのではないでしょうか。最近では脱ぐ仕事を控え、女優業や文筆業にも進出しています。
壇蜜が脱ぐ仕事をしなくなってから思っていること、それは彼女の自虐がちょっとキツすぎて嘘くさいもしくは鼻につくということなのであります。勝手な推測ですが、脱ぐ仕事と自虐というのは、どちらも男性を喜ばせるものではないかと思うのです。
美女の裸は男性にとって眼福以外の何者でもないでしょうし、自虐は「あなたをしのいでいませんよ」というアピールですから、いわゆる「男性を立てる」ことにつながります。「婦人公論」(中央公論)で、オアシズ・大久保佳代子と対談した壇蜜は、自宅で猫、鳥、ヘビ、トカゲ、ナマズ、熱帯魚を飼っていることを明かし、こう言っています。
「90センチあるナマズの水槽の掃除とか本当に大変なんですけど、芸能界でちやほやされて勘違いしないために必要だと思いながらやっています。『しょせんお前は、生き物たちの世話をするただの棒である』と自分に言い聞かせているんです」
調子にのらないように自分を戒めるために、あえて自虐しているのかもしれませんが、あまり度が過ぎると、男性視聴者は「いいね、面白い」と言ってくれるでしょうが、女性視聴者は「何もそこまで・・・」という気分になるのではないでしょうか。っていうか、私はなりました。
行き過ぎた自虐は、謙虚の反対。バカにされているように感じる
壇蜜はプロポーズの言葉は「現状維持のため、一緒にいたいというお話を受けた」であったことを明かし、そこに「三軒茶屋の西友でマグロを一柵買った帰りでした」と付け加えています。
人気芸能人が高級スーパーでなく西友に行き、記念すべきプロポーズ後の食事がマグロというおかしみを強調しているんだと思いますが、かえってそういう庶民アピールが自意識過剰に思えてしまうのです。
壇蜜は指輪や挙式、披露宴もない地味婚だそうですが、その理由を「お金がないので、挙式なんてとんでもない。カレンダーが売れないと、明日のパンにも困る状態。指輪はサインペンで書いたほうがいいですか?」とし、指輪のついていない手を見せる“エア指輪”ポーズを披露しています。
壇蜜が売れていることはもちろんのこと、夫である清野氏も出版不況のこの時代に、20万部を売り上げる売れっ子さん。もちろん、正確な財布事情は存じませんが、そういう人の自虐ってかえってこちらがバカにされているような気がするのです。
肌を見せる商売の人は入れ替わりも激しく、壇蜜もデビュー当時はババアとか一発屋で終わると言われた時代もありました。しかし、気が付けばもう10年間も芸能界で売れ続け、NHKにも出演している。それは純然たる事実です。
そこを「すごいでしょ?」と誇ることは壇蜜の主義ではないのかもしれませんが、自虐することでもないと思うのです。
結婚に際し、壇蜜は「所帯を持つことがゴールではなく、新たなスタート地点に立ったつもりです。今後もおごらず腐らず粛々と生きる所存です」というコメントを発表していましたが、「自分は恵まれていない、自分は下の人間だ」とことさらにアピールすることで視聴者が喜ぶと思っているのだとしたら、一般人を見くびっているという意味でおごっているのではないでしょうか。
氷河期と呼ばれる就職難を経験した世代は、自分の努力だけではどうにもならないことをよく知っていると思います。「婦人公論」によると、壇蜜は芸能界に入る前、結婚を約束した人がいたそうですが、二人とも収入が不安定だったそうです。
壇蜜の芸能界入りを反対したため別れてしまったそうですが、今では結婚しなくてよかったと言っていました。この世代は男女とも収入が安定しないため、結婚したくてもできないという経験をしている人も多いはず。
そういう経験をしたアラフォーだからこそ、結婚という縁にまつわる話を、自虐で落としてほしくなかったと思ってしまうのでした。
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