【実録】好きになった女性はバツイチだった。年下男性の葛藤と乗り越えた先の希望とは
好きになった年上の女性は、バツイチだった。
「婚歴のある女性」に好意を持つのは、未婚の男性にとって少し複雑な感情も同時に抱えてしまうもの。
それでも、恋心を止められないのは女性の魅力を素直に受け止められるからです。
バツイチの40代独女に恋した年下男性の思いとはどんなものだったのか、ご紹介します。
好きになってからバツイチと知らされて
「彼女とは、趣味で通っている映画のサークルで知り合いました。
俺はひとり暮らしで、ヒマを持て余す時間が嫌で定期的に集まれる場所がほしかったのだけど、彼女は『純粋に映画が好きだから語れる場が居心地がいい』、と言っていたのが印象的でした。
たまたま好きな俳優や監督が同じで話が盛り上がり、観た作品の思い出なんかをふたりで話していると、いつもあっという間に時間が過ぎて。
思い切ってお茶に誘ってみたらOKしてくれて、それからは休日の午後なんかに会っていましたね。
俺はモテるほうじゃないし、何年も彼女なんかいなくてこうやって女性と楽しく会話するのは久しぶり。
彼女が年上なのは知っていたけど、気さくに話してくれて年の差はあまり感じないし、それより女性らしさというか笑顔がかわいくて明るい性格に惹かれていました。
『ああ、好きだな』と思ったときはもう彼女に会えない平日が味気ないくらいで、何とかして彼女にも好意を持ってほしいと思っていましたね。
それが、勇気を出して映画館デートに誘った日、
『私、バツイチなの。
男の人とふたりで映画館に行くの久しぶり』
と言われて。
それまで、作品についての思い出を話すときでも結婚していた話なんて出てこなかったのに、距離を縮めようとしたらバツイチだと打ち明けられて、一瞬”これは好きになっても無駄って牽制されているのかな”と思いました。
40代でバツイチの女性なんて珍しくないし、もちろんそれで印象が変わることはありません。
彼女と過ごす時間は本当に楽しいしリラックスできるし、そこに”彼女は婚歴のある人”なんて事実は無関係でした」
「離婚した理由」にこだわる自分
「ただ、彼女を好きになればなるほど、”どうして離婚したのだろう”って疑問が大きくなるのを止められませんでした。
彼女に問題があったのか相手が何かしたのか、知りたいけれど俺から尋ねるのは図々しいし、それで嫌われたら元も子もない。
もし彼女の浮気とか浪費癖が原因だったらどうしよう、いや元夫の暴力かも、とかいろいろ考えてしまい、それは結局
『結婚がうまくいかなかった理由が彼女にあるのなら、好きではいられないかも』
って不安だったんだと思います。
結婚って、一生に一度と決めてするものじゃないですか。
彼女を見ているといい加減な気持ちで誰かと付き合ったりする人じゃないのがわかるし、離婚するっておそらく相当のことがあったんじゃないかな、と。
だからこそ、どうして別れたのかを知りたい。
彼女のことが好きだと思う気持ちと、離婚の理由がわからずモヤモヤする気持ちとで、会っていてもどこか上の空で過ごす自分がいました」
「俺も彼女を傷つけた」という痛み
「そんな感じで一ヶ月ほど経ったある日、彼女のほうから
『今度は晩ごはんでも一緒にどう?』
って誘ってくれました。
ふたりで居酒屋に行って、そこで初めて離婚の理由を話してくれました。
『前の夫が不倫していてね、それで別れたの。
不倫って、された側はすごくつらいのよ。
私と暮らしながら別の女性とも寝ていたなんて、どれだけ馬鹿にされていたんだろうって思ったら男の人が信じられなくなって。
それでもう恋愛はいいやって思っていたの』
と俺の顔から視線を外して話す彼女は、いつもの明るさがなくてすごく静かで。
あ、俺の気持ちに気がついていたんだな、と一瞬で悟ったのですが、何も答えられずに俺も無言でビールの泡を見つめていました。
『私がバツイチだと知ってからのあなたは何だか元気がなくて、引いちゃったんだろうなと思ってた。
まだ結婚したことのない人にこんな話をするのは嫌だったから黙っていたんだけど、隠していてごめんね』
そう言うと、彼女はぱっと笑顔を作って
『もし迷惑でなかったら、これからもサークルの仲間としてよろしくね』
とジョッキを持ち上げました。
その顔を見たとき、『こんな場面を何度か繰り返してきたんだろうな』と思いました。
バツイチと知れば、男は離れていく。だからこちらから先に線を引いて、関係を片付けてしまう。
俺も彼女にそうさせたんだ、と思うと胸がぐっと苦しくなって。
『いや』
気がつけば、勝手に口が動いていました。
『ごめんなさい、確かに離婚した理由が気になっていました。
でも、あなたのせいじゃないとわかったら、俺は』
彼女がびっくりしたように目を丸くして俺を見ていました。
でも、それ以上の言葉が出てこなくて、また押し黙った俺に彼女が気を使うように別の話題を振ってくれて、その日はそのまま終わりました」(35歳/公務員)
「今のあなたが好き」と伝える勇気
「あのとき、どうして好きだと言えなかったのか、自分は卑怯だって気がついたんですよね。
離婚の原因が彼女じゃないとわかってすごくホッとして、でも目の前の彼女はそれまでの俺の態度で傷ついていて。
不安がなくなったからはい告白、って彼女は絶対うれしくないじゃないですか。
今は、あの流れで言わなくて良かったなと思います」
この男性は、今も年上の女性に気持ちを告げられないまま、友達としての関係を続けています。
ただ、女性への接し方は以前と変わり、好意を持っていることを隠さないようにしたそうです。
男性のほうからデートに誘い、プライベートな話も打ち明けて、自分を知ってもらうこと。
そして、「今の彼女」を知るために会話を続けること。
過去にとらわれて彼女を傷つけていたことを知った男性は、「今の彼女」が好きなのだと伝えたい、と言います。
それが、離婚のダメージから男性を遠ざけてばかりの彼女の心を開くことであり、自分を信頼してもらうための努力。
好きだからこそ、時間をかけて関係を深めていくことを男性は考えています。
「どうなるかなんてわからないし、自信もありません。
でも、彼女に二度とあんな顔をさせたくないんだと、それだけはいつも思います」
今月もふたりで映画を見に行くんです、と笑う男性が、どうかふたりの関係を愛情あるものに育てていけますように。
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