【国名漢字】「ほこりきゅう」ではありません!「埃及」はどこの国?
普段、国名はカタカナで表記されていることが一般的ですが、仏蘭西、露西亜、伊太利亜など、漢字でも馴染み深いものはありますよね。
これらの漢字表記は、国名の音に漢字の読みを当てはめているため、漢字の意味など考えずにそのまま読めば、もともと読み方を知らなくても読めてしまうこともあります。
しかし、なかにはちょっと「ひねり」が必要な難読なものも存在します。
「埃及」はどこの国でしょうか?
「埃」は、「ほこり」や「ちり」と読むことが多いですが、音読みで「アイ」とも読みます。
たとえば、「塵埃」と書いて「じんあい」という言葉があります。意味は、やはり「ほこり」や「ちり」です。
「及」は、「および」「およぶ」「およぼす」などの訓読みと、「キュウ」という音読みがありますね。
これらの音のどれかを当てはめているのですが、そのままだと国名にならないので、ちょっと「ひねり」が必要なのです。
正解はこちらです。
「エジプト」です。正式な国名は「エジプト・アラブ共和国」です。
「埃」を「エジ」、「及」を「プト」と読むなんて、そんなまさか!
実は「エジプト」という呼称は、古代ギリシャ語の「アイギュプトス」に由来します。
エジプトの古都メンフィスの古代名「プタハ神殿」を、ギリシャ人がギリシャ神話の登場人物にちなんで「アイギュプトス」と呼んだことによります。
さらにこれが、ローマに伝えられ「エジプト」に転訛しました。
この「アイギュプトス」に「埃及」という漢字を当てたのですね。
そう言われてみれば、「埃」という字は砂漠の砂埃をよく表しているような気もしてきます。
しかし、「及」で「ギュプトス」は、けっこう無理やりな感じがしますね。
ではここで、エジプトにちなんだ漢字クイズです。
「金字塔」は何と読むでしょうか?
よく「金字塔を打ち建てる」という言い回しで使いますよね。
このときは、「きんじとう」と読みますが、別の読み方があるのです。
「金字塔を打ち建てる」とは、後世に長く続くような優れた業績を収めたときなどに使います。
ではそもそも、「金字塔」とは何なのでしょうか。何を打ち建てたのか・・・。
正解はこちらです。
「ピラミッド」です。
「金字塔を打ち建てる」とは、ピラミッドを建てるくらいの偉大な業績を残す、というところに由来しています。
ちなみに、ピラミッドが「金」の字を形をした塔であるため「金字塔」という字が当てられています。
引用元:三省堂 大辞林 第三版
では、次の漢字クイズです。
「獅子女」は何と読むでしょうか?
こちらも、漢字の持つ音は関係ありません。
漢字の意味だけで考えましょう。
「獅子」という漢字でピンとくる方が多いのでは?
正解はこちらです。
「スフィンクス」です。
スフィンクスはご存じのとおり、ライオンの体と人間の顔をしていますから、この漢字は納得ですね。
スフィンクスはエジプトだけでなく、ギリシャ神話にも登場します。
ギリシャ神話におけるスフィンクスは女性の上半身と獅子の体を持った化け物として描かれています。
「獅子女」という当て字に「女」を使ったのは、ギリシャ神話の影響を受けてのことでしょう。
ちなみに、エジプト神話におけるスフィンクスは、化け物ではなく神聖な存在として扱われています。
参考:東京都立図書館
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