【クイズ】イタメシって何の略だか言える?意外に知らない!
年配の上司が時々口にする「イタメシ」。若い社員が何のことかわからず、困惑しているようです。
「イタメシ」は何の略でしょう。
① イタリアンな飯
② イカやタコを使ったシーフード料理
③ 板のうえにアレンジされた料理
もはや死語。バブル時代の大流行を経ていまのかたちに。
答えは「① イタリアンな飯」です。
イタメシは「イタリアンな飯」「イタリアの飯」などのの略で、つまりはいまでいうところの「イタリアン」のこと。80年代バブルのころ、ナウな人々の間で大流行しました。
それまで日本でイタリア料理といえば「スパゲッティ」くらいしかなく、それもミートソースやナポリタンなどが中心。イタリア料理と胸を張って言えるシロモノではありませんでした。
1980年代の半ば、バブルの到来とともに先に流行しはじめたのはフランス料理でしたが、フランス料理は格式が高いうえ、値段も高いもの。テーブルマナーの複雑さも相まって、爆発的な流行には至りませんでした。
それに比べ、イタリア料理はマナーにそれほど縛られることなく、コースで頼まなくても楽しめるという緩さがありました。居酒屋風にわいわいできることもあり、人気を博すようになります。『ファッションフード、あります』(紀伊國屋書店、のちちくま文庫)の著者畑中三応子さんによると、このころイタリアで修業したシェフたちが帰国したことも、日本のイタリアンの発達に拍車をかけたようです。
また、畑中さんの調査によると、「イタメシ」の命名者は不明ですが、はじめて使わわれたのは『Hanako』(マガジンハウス)の1988年10月6日号とのこと。当時若い女性のバイブル的な存在であった『Hanako』からはイタリアン・ドルチェであるティラミスもブームになりました。
こうしてバブル時代に一世を風靡したイタメシは日本に定着。バブルがはじけるとともにイタメシという言葉は消え「イタリアン」と呼ばれるようになりました。「スパゲッティ」という言葉もいまは「パスタ」になり、実はスパゲッティはたくさんあるパスタのうちのひとつであることも常識となっています。
日本人の口に合い、気取ることのないイタリア料理はすっかり日本文化の中に溶け込んでいます。「イタメシおいしいよね?」といまだに言葉がアップデートされない上司には閉口するかもしれませんが、そんな時代もあったんだなあと思いながらワインと一緒に飲み込んであげてください。
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