大久保佳代子、「結婚できないオンナ」がいまだにしがみつく昭和のこの価値観

2020.05.22 LIFE

かつて、オンナ芸人というのはオトコ芸人の添え物で、笑われ役でしかなかったと思います。オトコ芸人がオンナ芸人を執拗にブスいじりしていたのも、それがオトコにとって一番の関心事であり、オンナ芸人にとっては簡単に笑いが取れたからではないでしょうか。

 

女性の見た目をいじると言えば、とんねるず・石橋貴明のお家芸だったと思いますが、石橋の凋落は激しく、現在のレギュラー番組は「石橋、薪をくべる」(フジテレビ系)の一本のみ。時代の流れという意味で考えれば当然なことでしょうが、もし私がオンナ芸人だったらやりにくかろうと思うのです。

 

これまでは、オンナ芸人は実生活は別にして、テレビではブスとかモテないを演じていれば笑いは取れた。しかし、その方針が通用しないとしたら、どうやって売っていけばいいのか。

 

国民のオンナ友達、売れっ子三人組が自己分析する「結婚できない」理由とは……

今後、ますますオンナ芸人はキャラの確立が重要になってくると思うのですが、「国民のオンナ友達」になれる人は強いのではないかと思うのです。

 

個人名を上げると、オアシズ・大久保佳代子と光浦靖子、いとうあさこはこの位置に言えると言えるのではないでしょうか。

 

その三人が、5月17日放送の「ボクらの時代」(フジテレビ系)に出演しました。

 

売れっ子の三人だけに、ずっと家で過ごす経験があまりないようですが、つつがなくお過ごしのご様子。三人とも、「外にいかないので、ノーブラで過ごしている」と言っていたのにウケました。

 

こういう小ネタで笑わせられるかが、オンナ友達感には重要なのではないでしょうか。ちなみに私も家の中ではブランブランさせております。

 

三人とも独身なこともあって、結婚や老後についてどう考えるのかが話題に上ります。

 

大久保サンは、ものまねタレント・みはる(夫は23歳年下のものまねタレント、Mr.シャチホコ)、椿鬼奴(夫は8歳年下のグランジ・佐藤大)を例にあげ、「やっぱり性格だと思うんだけど、性格よくない?」と分析。

 

大久保サンは「私は性格悪いから、人のせいにする。ミスしたときにいかに謝れるかがだと思う」と結論づけ、いとうあさこも「私も我が強い」と同調したのでした。

 

……。

 

大久保サンら、三人は資本主義社会の勝ち組です。しかし、だからといって、「私は勝ち組ですよ」と言ったら、視聴者に「オンナ友達になりたい」と思ってもらえない。だからこそ、あえて自責的な分析をするのでしょう。それは「テレビ的には正解」です。

 

しかし、発言力のある人だけに、それが真実として浸透してしまうと困る。そこで、アホみたいにテレビを見ることを生業とする私が、証拠を持って「それは違う」と反論させていただきたいと思います。

 

椿鬼奴の夫、ギャンブル大好きですってんてんになる。クズなのか?

「結婚すると、オンナ芸人は面白くなくなる」と言われることがあります。

 

理由はいろいろあるのでしょうが、やはり日本人の中に「結婚している女性は誰かに選ばれたから、結婚していない女性より上」「オンナ芸人は笑われるべき」という強烈な刷り込みがあるからだと思います。

 

なので、オンナ芸人は「結婚したけど、亭主はしょうもない」路線に舵を切ることがあります。

 

ヤッコさんこと椿鬼奴が典型で、夫が自分より売れていない上に、ギャンブルが好きで借金を作ってしまう、ヤッコさんのお金を盗む、結婚のご祝儀まで自分の懐に入れてしまう、ヤッコさんが夫にお金を貸しているとクズっぷりを話していたことがありました。

 

こういう言い方をすれば、「ヤッコさんの夫、ヤバいね」と言われるので、上から物を言っているように思われないと思ったのでしょう。

 

しかし、「しくじりセンセイ」(テレビ朝日系)でヤッコさんがのちに語ったところによると、これは番組制作側に求められて、あえて愚痴を盛ってしまったそうなのです。その結果、夫をひどく傷つけてしまったと話していました。

 

それでは、実際のヤッコさん夫婦は、どんな感じなのでしょうか? 二人をよく知る、雨上がり決死隊・宮迫博之の言葉をご紹介したいと思います。

 

「アメトーーク」(テレビ朝日系)で、ヤッコさんが夫の佐藤がギャンブルに金をつぎこんで、すっからかんになってもギャンブルをやめてくれないと嘆いたことがありました。

 

夫側にも言い分はあり、ギャンブル好きと知られてから、ギャンブル関連の仕事のオファーが来たのだから、仕事みたいなものだと言い返していました。

 

その時に、宮迫がこんなエピソードを明かしました。ヤッコさんが「あんた、そんなちまちま賭けてるから、勝つものも勝てない。これで勝負してきな」と五万円を渡すのだそうです。

 

みなさんご存じかどうか、ヤッコさんはかなりのパチンコ好きで、休みの日は一日お店にいることもあるそう。

 

そんな二人を、宮迫は「ギャンブル大好きな夫婦。似た者同士でお似合い」と言っていましたが、これに尽きると思うのです。

 

我が強いとか、相手に謝れるかは問題ではなく、二人ともギャンブルが好きで、一緒に楽しめるから関係が成立しているのではないでしょうか。

 

それは、ものまねタレント・みはるも一緒ではないでしょうか。夫であるMr.シャチホコは和田アキ子のモノマネで大ブレイクしましたが、それまでは妻のみはるのほうが収入は上で、食べさせてもらっている生活だったといいます。

 

見事に売れた後、「おしゃれイズム」(日本テレビ系)に出演したMr.シャチホコはこんなエピソードを明かしていたことがあります。

 

当初はMr.childrenやB’Zなどのモノマネをしていたシャチホコですが、妻のみはるに「自分がかっこいいと思われたい気持ちが強い」と指摘されたそうです。

 

ものまね芸はものまねがうまいだけでは成立しない、自分を主張するのはものまね芸ではないという、先輩ならではの視点でしょう。

 

みはるのアドバイスで、誰もが知っている人で、誰もやったことがない有名人をつきつめていき、そこで生まれたのが「バラエティーの時の、和田アキ子」ものまねだったそうです。当時和田アキ子の歌真似をする人はいても、しゃべるアキ子をマネする人は少なかったそうです。

 

その結果、大ブレイクしたそうですから、妻は恩人と言えるでしょう。

 

つまり、性格がいいかどうかは問題ではなく、一緒にいることでメリットがあったり、意味が見いだせれば結婚は成立するのです。

 

それなのに、なぜオンナたちは自責するのか?

大久保サンの場合、どうすればいいのか、勝手にご提案させていただきましょう。

 

「婦人公論」(中央公論社)の鼎談「清水ミチコの三人寄れば無礼講」で、おぎやはぎ・小木博明に、「バーの男」や「若いモデルの男(ダブルのイケメン)」との関係をバラされた大久保サン。

 

若い男性がお好みなら、自分の付き人にするのもいいでしょう。大久保サンは愛犬家で、もっと犬を飼いたいと話していたこともありますから、大久保サンが出資して、男性にペットショップを持たせるのもいいのではないでしょうか。

 

大久保サンだけでなく、多くの女性が、女性を笑うことを当然の娯楽する風潮の中で育ってきました。だからこそ、優秀な女性ほど「ここが出来ていない」「ここもダメ」と自分を責めてしまうのだと思います。

 

しかし、男性が独身の場合、「アイツの性格が悪いから」と指摘されたり、自責するのをまず聞いたことがないのは、どうしてでしょう。答えは簡単。偏見というやつだからです。

 

人を下に見る、というのは、一番簡単に笑える方法なのでしょう。だからこそ、人はその方法を手放しません。けれど、恋愛や結婚で「私が悪い」と女性が自分で自分を責めるのは、そろそろやめませんか?と言いたい気持ちでいっぱいです。

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