男の顔を立てながら「女性がお金を払う」これだけの手練手管

こんにちは、さんきゅう倉田です。

国税局を辞めて、芸人になり、お金に関する情報ばかり集めているので、女性の容貌やファッションより、お金に関することに目がいってしまいます。

今回は、芸人になったばかりの頃に、ご馳走してくれたファンの女の子の話です。

 

あまりにも簡単にファンと会う若手芸人たち

ほとんどの芸人はモテたくて芸人をやっているので、出待ちをしてくれたファンやSNSでDMをくれた女の子と、気軽に会っています。テレビに全く出ていない、劇場に出るだけの若手芸人であればなおさらです。

 

ぼくだって、昔はファンの女の子と食事をしたり、遊びに行ったりしていました。過去形です。いまではしていません。それはなぜかというと、別に控えているわけではなくて、ファンがいなくなったからです。悲しいけど、受け入れています。

 

キャバクラで働く桐壺さんと食事

昔、池袋のキャバクラで働いている女の子と食事に行ったことがありました。彼女は、“桐壺”という文学的な源氏名で昼から働き、夕方になると渋谷の無限大ホールに行って、お笑いライブをたのしんでいました(まさしく「源氏名」ですね)。

 

そんな彼女から、何度か連絡を賜り、代官山のもつ鍋を食べに行くことになりました。

 

東京でもつ鍋を食べようと思ったら、最初に思い浮かぶのは恵比寿の「蟻月」です。当時、代官山の2畳の家に住んでいたぼくは、蟻月代官山店を予約して、桐壺さんと臨場しました(なかなか予約が取れないんですよね)。

 

桐壺さんのスマートな会計その1

当時、ぼくは、アルバイトはしていなかったけれど、年齢に見合った収入はなく、生活は困窮していました。それでも、貧しさは隠し、芸人として最低限の綺麗な洋服を召していました。

 

蟻月の素晴らしいもつ鍋をつつき、女将さんの寵愛に満足し、胃が満たされたところで、会計を頼みます。伝票が運ばれてくると、桐壺さんはスッと手を伸ばし、予め出しておいたカードを渡して、支払いを行ってくれました。

 

一般的に、ファンと食事に行った際に、芸人が会計をどうしているのかはわかりません。ぼくはほとんど経験がなかったので、銀行に寄ってから馳せ参じていました。しかし、彼女の流れるような決済に、甘んじることにしました。もしかしたら、そういうものなのかもしれません。

 

桐壺さんのスマートな会計その2

店を出たとき、時刻はまだ18時だったので、コーヒーでも飲まないか、と誘いました。代官山のピーコックの近くにある新しく広々としたカフェに入ります。カウンターで購入したドリンクを、店内や向かいの飲食店と共有されているテラスで、飲むことができます。

 

ふたりでカウンターに並び、注文を済ませ、店員さんから金額を提示されたところで、ぼくは言いました。

 

「さっき出してもらったからここはぼくが払うよ」

 

古より言われ続けたであろうセリフです。しかし、桐壺さんは、無言でぼくの身体を押しのけ、会計を済ませてくれました。

 

男性のプライドに配慮する桐壺さん

古い考え方なのかもしれませんが、食事をしたときの会計は、先輩や男性が行ったほうがいいと思っています。桐壺さんは、女性でぼくより4つほど年下でした。収入は、ぼくの数倍かもしれませんが、ぼくが負担して当然です。

 

しかし、若手芸人の生活が苦しいことを知っている桐壺さんは、男性のプライドを傷つけないように、そのような振る舞いをしてくれたのでした。

 

ぼくが礼を言っても、彼女は何も言いません。「いいよー」とか「はぁ~い」といった返事すらしません。会計をした事実すらなかったように、次の話題を展開しています。おかげで「ありがとう」「大丈夫だよ」「今度出すね」「ありがとう」みたいな不毛な会話を回避できました。

 

 

桐壺さんの素敵なお会計は、今でもぼくの心に残っています。

 

ぼくの出会った年収1億円の人たちより、圧倒的にスマートで、紳士的な桐壺さん。その洗練された動きと相手の心に負担をかけないやりとりで、若手芸人に注目される存在となりました。

 

「お金持ち」はやっぱりどこかスマートなんです

周囲にお金が集まる人とは、周囲に人が集まる人でもあると言えます。

お金持ちには、いくつかの共通パターンがあります。

怒らない、鷹揚に構える、他人を否定しない、身繕いをきちんとしている。

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