「たんちょ」ではありません!「端緒」の本来の読み方、知っていますか?
日常生活で何気なく使っている漢字。そんな漢字の中には全く違う読み方をするのに形が似ているものもあります。そのため「こう読むのだろう」と思い込み、間違った読み方で覚えてしまった、なんて人もいるのでは?
そこで本記事では、意外と読めない漢字のクイズを出題します。
「端緒」の本来の読み方、知っていますか?
「端緒」の読み方は?
「端緒」とは
物事の始まり。いとぐち。手がかり。
出典元:小学館 デジタル大辞泉
を意味します。意味にある“いとぐち。手がかり。”に置き換えられることもあるので馴染みがない人もいるかもしれませんが、例文には「紛争解決の端緒となる」 「端緒が開ける」などが挙げられます。
そんな「端緒」を「たんちょ」と読んだ人もいるのでは?辞書によっては「たんちょ」を慣用読み(本来の読み方ではない読み方が、一般に広く普及したもの)として記載しているものもあるので不正解ではありませんが、「たんちょ」は本来の読み方ではありません。
正解は…
「たんしょ」です。
慣用読みの「たんちょ」は「放送で用いるのにふさわしいことばの発音・アクセント」を掲載している『NHK日本語発音アクセント辞典』にも掲載されています。「端緒」の慣用読みが認められたのは『NHKアクセント辞典 43年版』から。
なお「端緒」の慣用読みの事例のほかに「堪能」が挙げられていたのですが、「堪能」の本来の読み方をご存知ですか?
おそらく「たんのう」と読む人が多いのではないでしょうか。しかし実は本来の読み方は「かんのう」なんです!『43年版』で“漢語の慣用読みを認め”られた「たんのう」という読み。でも今では「たんのう」の方が浸透している印象がありますよね。
慣用読みが浸透しつつある言葉には「端緒」の他に
- 貼付(ちょうふ)慣用読み:てんぷ
- 重複(ちょうふく)慣用読み:じゅうふく
などが挙げられます。言葉は時代とともに変化するもの。数年後、十数年後には、「端緒」も「慣用読みの方が一般的」と記載されているかもしれませんね。
参考文献:語形の検討〜「ゆれのある語」を『新辞典』にどう掲載するか〜 – NHK
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