芸人は見た!「超お金持ち」のとんでもないお会計マナー
さんきゅう倉田です。大学で建築を勉強して、公務員試験を受けて国家公務員になって、少ししたら辞めて芸人になりました。
お金全般や税に詳しい芸人として、ひっそりと活動しています。お金に関する話ばかりしていると、自分が芸人であることを忘れてしまいそうです。
芸人になったばかりの頃は、同期と合コンばかりしていました。公務員になったときも週末は同期と合コンばかりしていたので、このふたつの職業は広大な職業分布図の中で案外近いところにプロットされるのかもしれません。
芸人になって、4年目くらいのころ、同期の吉田くんに呼ばれて池袋の沖縄料理屋に行きました。20代前半の女性が3人と同期の芸人が2人。いわゆる、合コンです。店に入るやいなや、ぼくらは女性の容姿に釘付けになりました。
毎回答えにつまる、先に帰る人の「いくら払えばいい?」
ドクターマーチンを履いたゆるふわボブ、福岡から上京して毎日様々な男とデートをしているという舞浜在住の駆け出しのモデル、食事中のマナーに厳しいリーダー的存在の3人は、美しさと流麗な会話を兼ね備えていて、ぼくらは終始うっとりしていました。
3時間ほど飲んで、そろそろ舞浜は終電かなと勝手に考えていると、リーダー的存在が「門限があるから先に帰るね」とぼくだけにこっそり言って、お金を置いていきました。
先に帰る女性が、自主的に金額を決めて置いてくのは珍しいと思いました。
多くの人が、「あたし、明日早いから先に帰るね。いくら払えばいい?」などと皆の前で言い、参加者を困らせます。
参加者は店員ではないので、急に「いくら払えばいい?」などと問われてもわかりません。悟りを開いたゴータマシッダールタだって、わからないと思います。
店員を呼んで、「いまいくらですか?」「確認します。少々お待ち下さい」と問答している間、彼女は待っていられるのでしょうか。
待たないだろうし、待たせない。結局、「1000円でいいよ」とか「いいよ、いいよ、払っておく」と男性の誰かが言って、他の男性が「え?今日、女性の分そんなに出すの?」と不安になるのでした。
「いくら払えばいい?」と聞く人には、自分がその立場になったときのことを考えてもらいたい。「俺、先帰るわ。」と言って、明らかに多い金額を置いていくドラマの登場人物みたいな粋なお兄さんを見習ってほしい。
でも、リーダー的存在は、平凡な女性と違いました。
こっそり置いていった額にぼくは度肝を抜かれた
「払っておいて」
そう言って、コンビ麻雀でイカサマをするように、テーブルの下から素早く3万円を渡してきました。ぼくは、ギョッとなりましたが、税務調査で鍛えた(むかし、そういう仕事をしていた)ポーカーフェイスで動揺を隠し、はーい、とだけ返事をして、部屋から出ていく彼女を見つめていました。
30分後、店員から会計を促されると、同期の男がぼくに聞いてきました。
「先、帰った子、お金置いていった?」
ここでひとつ説明しておくと、若手芸人の合コンで、女性の分を支払うことはほとんどありません。ぼくらの合コンは、水で薄めたような薄いビールを一杯70円で提供するような店で、割り勘で行われます。幹事によっては、女性から多く徴収する不届き者もいるかもしれません。
だから、同期の疑問は当然です。ぼくが、3万円置いていったよ、と伝えるとギョッとしていました。
これは金額に驚いたのではなく、程度の低いボケだと思って驚いたのでした。ぼくは、本当だよ、と言って3万円を差し出し、店を出ました。
同期は、3万円で会計をし店員さんからお釣りを受け取るまでずっと「なんでやねん、なんでやねん」と呟いていました。
のちにわかることですが、先に帰った女性はとんでもない資産家の娘で、何度か食事をともにしたぼくを、会う度に驚かせてくれました。この話は来週の日曜の連載に続きます。
とんでもない資産家の家に生まれなかった人に
生まれる家は選べませんが、今後の自分のあり方は設計できます。
お金持ちには、いくつかの共通パターンがあります。
怒らない、鷹揚に構える、他人を否定しない、身繕いをきちんとしている、
必要な分野についての勉強をコツコツ続ける。
そんなお金持ちの類型を抽出して、電子書籍を出版しました。
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