実は色の名前です!「臙脂」の読み方、知っていますか?
聞いたことがある言葉でも、漢字で表されると「あれ、なんて読むの?」と戸惑うことがあります。
そこで本記事では、意外と読めない漢字のクイズを出題します。
「臙脂」の読み方、知っていますか?
「臙脂」の読み方は?
「臙」に含まれる「燕」は「つばめ」と読むことができます。とはいえ、「臙脂」を「つばめのあぶら」と読むことはできません。なお「臙」には
①のど。
②べに。鮮やかな紅色の顔料。出典元:臙|漢字一字|漢字ペディア
という意味を持ちます。
臙の“べに”という意味が臙脂の読みのヒントです。臙脂は決して紅色ではありませんが、臙脂色は赤色の一種です。
正解は…
「えんじ」です。
臙脂の他、「燕脂」と書くこともできます。
臙脂とは
1 エンジムシの雌から採取する赤色染料。生臙脂(しょうえんじ)。
2 紅花(べにばな)から作った染料。べに。
3 紫と赤を混ぜた絵の具。
4 「臙脂色」の略出典元:小学館 デジタル大辞泉
を意味します。
臙脂の語源には諸説あります。
まずは「燕」産の「脂」から「燕脂」となった説です。古代の中国では、臙脂の臙ではなく「脂」が化粧に使う紅を指していました。というのも、その頃は辰砂と呼ばれる真っ赤な鉱物から作られる顔料の「朱(しゅ)」にヤギの脂を加えて化粧紅を作っていたからです。そして、その当時、古代中国に存在した「燕(えん)」という国の紅が優れていたことから、「燕」産の「脂」、燕脂となりました。
他には、臙脂の意味に“紅花(べにばな)から作った染料”とありますが、その紅花の一大産地「燕支山(えんじざん)」に由来するという説もあります。
参考文献
- 吉岡幸雄『日本の色辞典 (染司よしおか日本の伝統色)』(2000年、紫紅社)
- 内田広由紀『定本 和の色事典』(2015年、視覚デザイン研究所)
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