正しいのはどっち?クレジットカードを「ご利用できます」「ご利用になれます」
本記事では、敬語クイズを出題していきます。
お客様にお伝えする時、あなたはなんと言いますか?
正しいのはどっち?
「ご利用できます」も「ご利用になれます」も聞き馴染みがありますよね。でも実は、どちらか一方は、敬語の文法的には正しくない表現なんです。
まずは正解を見てみましょう。
正解は…
「ご利用になれます」です。
敬語の基本要素は
- 尊敬語
- 謙譲語
- 丁寧語
の3つ。尊敬語は相手に敬意を表すために使われ、謙譲語は自分自身に使います。
まず尊敬語と謙譲語の典型的な形は
- 尊敬語 「ご(お)〜になる」
- 謙譲語 「ご(お)〜にする」
で、これらを可能形にすると以下のようになります。
- 尊敬語(可能)「ご(お)〜になれる」
- 謙譲語(可能)「ご(お)〜できる」
一見すると「ご利用できます」は丁寧に感じられますが、お客様に対して用いるべきは尊敬語です。尊敬語の可能形は「ご(お)~になれる」なので、お客様にお伝えする場合は「ご利用になれます」が正解です。また「ご利用いただけます」と言い換えることもできます。
「ご(お)〜できる」はお客様の動作に対して不適切な表現ではありますが、文化庁による「国語に関する世論調査」を見ると、「ご乗車できません」という表現に「正しく使われていないと思う」という回答が
- 平成9年度 30.5%
- 平成16年度 27.4%
と減少しており、「ご(お)〜できる」を誤用と捉える人が減少傾向にあることが分かります。もしかしたら「ご(お)〜になれる」に堅苦しさを感じる人もいるかもしれません。
ですが、この機会にぜひ「ご(お)〜になれる」を覚えていただき、敬語を使う場面で発揮していただけると幸いです。
参考文献
- 本郷陽二『大人の語彙力 敬語トレーニング100』(2018年、日本経済新聞出版社)
- 「ご利用できます」は敬語の誤用?|NHK放送文化研究会
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